日記
かっこよすぎる
歴史に残る人物
今生きている時代にもそう思える人がいます。
小学校の図書室に必ず陳列されるであろう
「偉人伝」の主人公が。
ビル・ゲイツは間違いなくその一人でいらっしゃる。
たまたまテレビで大学生を前にインタビューを受ける
ビル・ゲイツ氏を拝見しました。
この5月に
「今後20年間でご自身の財産全て(約30兆円)を
公衆衛生などの取り組みに寄付し、
予防可能な原因で母子らの命が奪われるのを食い止め貧困を減らし、
ポリオやマラリア、はしかといった病気を根絶させたい」とし、
「GAVIワクチンアライアンス」や「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」などを支援して
ワクチンの普及と開発、感染症の予防・治療法開発、診断ツールの開発に貢献し
ただお金を出すだけではなく、今後も持続可能とするために支援していることが分かります。
すでに1億人近くが彼のおかげで命を救われているのだとか。
(そういう背景をきちんと確認せず彼を非難した日本の政治家がいましたが)
今もなお、簡単に弱者の命を奪っていく権力者たちの姿を目の当たりにしながら
ただ単に非難するだけではなく、
行動し続けるビル・ゲイツ、俗な言い方ですが
「かっこよすぎる」
彼の言葉を聴き頷く学生は、生涯この経験を忘れず
今後「どう生きるか」という問いに
大きな影響をもたらしたに違いありません。
みんないい顔してたなあ。
このインタビューを観るまでは
ビル・ゲイツはこの世界に飛躍的な発展をもたらした天才で
遠い存在でしたが
観ているうちに
お腹が減って泣いている子供に
自分の顔をちぎって分け与えるアンパンマンのように
見えてきて
「自分にあるもので誰かを助けることができる」
豊かさを改めて思います。
なんて「豊かな人生」なんだろうか。
でも、何者にもなっていない私でも
スーパンマンにはなれなくても
アンパンマンにはなれるかも。
愛と勇気だけが友達さ。
いい人
この1週間、夏休みを取られた方も多かったと思いますが、
いかがお過ごしでしたか?
私は..。とある韓国ドラマに嵌っておりました。
前々から気になっていた韓国ドラマ「私の夫と結婚して」。
一話観ると気になってついつい最終回まで一気見してしまうという韓国ドラマあるある。
一気に最終回まで観てしまいました。
(私はまだ韓国版の余韻から抜け切れず未視聴ですが、日本版もありこちらも好評価ですね)
そのドラマの中の一つのセリフ「いい人と働くと仕事は楽しい」が印象的で記憶に残っています。
その背景を細かく書くとこれからご覧になろうとされている方にとっては興をそがれると思いますので
ざっくりと言いますと、
パワハラセクハラ上司がある事件をきっかけに降格して
仕事はできるが自己主張が苦手な女性が課長になったのですが、
その課長はパワハラ元課長に自分が発案した企画を横取りされて、
その企画がきっかけにパワハラ元課長が昇進したという経緯があります。
図らずも後輩である主人公の企画がきっかけで昇進してしまった課長。
主人公に謝る中での発言です。
「あなたはいい人。いい人と働くと仕事は楽しい」
「いい人」ってどんな人でしょう?
お人よし
都合のいい人
どうでもいい人
と咄嗟に思い浮かべた人もいるかもしれません。
「いい人」故に付け込まれ、利用されてしまい
傷つくことが多いけれども、
それでも「嫌」とは言えず、
断ることができず受け入れてしまう。
その姿を「偽善」と捉える人もいて
あるいは「弱虫」と
余計に辛い仕打ちをされることもあるかもしれません。
いっぱい傷ついているからこそ、
痛みがわかり、優しくできる人。
なのかもしれません。
仏教に由来する「自利利他」という言葉をご存じでしょうか?
仏教辞典にはとこう書かれているようです。
「自ら利益を得ることを「自利」、他人を利益することを「利他」といい、
この両面を兼ね備えることが大乗仏教の理想とされる。
菩薩が上求菩薩・下化衆生(上には自利のために菩薩を求め、下には利他のために衆生を導くこと)を実践し、
仏が受用身において自受用・他受用の両面を兼ね備えるとされるのも、大乗仏教のこのような理想を示すものである」
なんのこっちゃというところもありますが
自利だけではあかんですが、自他だけでもあかんのですよね。
自利がないと、特に仕事においては自己成長、自己実現が難しい。
そのために貴方が「なりたい自分」からは遠いところに居るのだとしたら
「幸せ」という言葉も遠いのではないでしょうか。
「あなたはいい人。いい人と働くと仕事は楽しい」
という言葉の背景には
「あなたが居るから私も頑張れる」があると
私は思いました。
主人公はいつも「いい人」なのではなく
理不尽なことに対しては毅然と立ち向かいます。
その姿は周りに勇気をもたらし波及していくんだなあ
と思います。
仕事に限らず
「あの人が居るから今日も頑張れる」と思う人がいるなら
もしかすると「あの人」もあなたの事をそう思っているかも知れません。
いないのならあなたが「あの人」になればいい。
難しいですが、私はそうありたい。
あなたも私も幸せになりましょう。
積み重ね(その4)
前回「発達障害」という言葉が出てきました。
発達障害を抱える方の就労支援を行っている社会福祉士さんのお話を聞く機会があり、
職場でどのような困難があるのか知るべくいくつかの事例を研究したのですが、
キーワードは「誰しも持っている」なのだと思いました。
計画を立てて実行することが苦手
話を整理して理解するのが苦手
話がまとまらない
話が終わらない
冗談が通じない
集中すると周りがみえなくなる
臨機応変が苦手
場の空気を読むのが苦手
等々。。
「あ、△△さんのことや!」
あるいは「私の事や!」と思われた方もいらっしゃるのではないかと思います。
発達障害は
「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、
学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であって
その症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」
と発達障害者支援法で定義されています。
通常低年齢において発現するものですが、わかりにくいっ!
さきほどあげた特徴を持つ人ってまわりにいるし、私にも当てはまる特徴あるし。。
グレーなんですよね。
なんとも分かりにくく、理解されにくい障害なので
発現に気づかず大人になって社会に出ると、色々な壁にぶち当たります。
ミスをする→怒られる→
怒られたところ、指摘されたところに集中してしまう→
本来やるべき仕事に集中できず、ミスをしてまた怒らる。
なんてことにもなり得るし、他にも抱えている困りごとがあるかもしれません。
では周りにいる人たちはどうすればよいのか。
2024年4月に「改正障害者差別解消法」が施行され、
「合理化配慮の提供」が義務化されたことはご存じでしょうか?
以下内閣府㏋からの抜粋です。
「障害者やその家族、介助者等、
コミュニケーションを支援する者から何らかの配慮を求める意思の表明があった場合には、
その実施に伴う負担が過重でない範囲で、
社会的障壁を取り除くために必要かつ合理的な配慮を行うことが求められる。
2024年4月1日に施行する「改正障害者差別解消法」により、
事業者による「合理的配慮の提供」は、努力義務から義務へと改められる。」
となっています。
では、発達障害者に対する「合理的配慮」とは、と問われると難しいですよね。
得てしてコミュニケーションが苦手で自分の思いや考えを充分に伝えることができない人に対し、
合意を得ずに
良かれと思って勝手な決めつけで選択の自由を奪っていながら「合理的配慮」と行いがちになりませんか?
そうなってくるとその内容がとても素晴らしいものであっても、
「上から目線」のその配慮は
本人にとっては劣等感に苛まれ状況は悪化するかもしれません。
発達障害者にとって必要な「合理的配慮」とは配慮される側と配慮する側の合意がなければならない。
合意は本人の意思がなければ得られません。
そのためにはどんなことで悩み、困っているのか。
できること、得意なことは?
まずは相手を知ろう、理解しようというところから対応していくことが肝要で
ここを間違えてはいけません。
そうやって試行錯誤を繰り返しながら共に成長していくことで、
多様性というものを理解していけるのかと思います。
どうして多様性の理解が大切なのか。
それが人材不足に喘ぐ会社にとってはもとより、
人として成長するために
ひいては私たちの未来のために
とても重要なことだからです。
積み重ね(その3)
Aさんは一生懸命に仕事に取り組んでいるのに、会社が望む成果を出せていない。
ミスが多く、他の社員に比べ著しく生産性が低い。
「ローパフォーマー」という言葉を思い浮かべた方もいらっしゃるのではないかと思います。
実際には周囲からは
「いくら注意をしても響かない。」
「あんなにミスをして人に迷惑を掛けているのによく平気でいられるものだ。図々しい」
「こっちはAさんの倍以上の仕事をこなしているのに、さも大変な仕事量だというようにため息をつくのが腹が立つ」
等々の声が聞こえ、モチベーションに影響していることが伺えました。
Aさんをそのままにしておくと、会社の生産性にも大いに影響することは明らかです。
ですので、事業主としては不当解雇にならないよう労働問題に詳しい弁護士に相談し対応するのも一計だと思います。
ですが「ローパフォーマー」になる要因は色々あり、
もしかするとAさんを解雇しても第2のAさんが現れるかもしれません。
最初は意気揚々と入社したAさんでしたが、
「入社してすぐ与えられた仕事の内容の説明を受けても理解できず、
質問をすると「こんなことも分からないのか」と呆れたように言われ
それがトラウマになって分からないことがあっても自分でなんとか解決しようとして、
色々調べるから時間が余計にかかってしまい、
自分なりに解釈したことが正しいか間違っているのか判断がつかないまま
「できない人間」と思われたくなく仕事を進めてしまう」
ということが話を聴くうちにわかってきました。
話を聴いているうちに
仕事の成果は評価されず、いつも怒られてきたAさん。
周りには私の味方は誰もいないと心を閉ざし
「意固地になっていた」とも話しだしました。
上司の〇〇さんとも話をして、
仕事を依頼するとき
指示を正しくAさんが理解しているのか確認するようにお願いしました。
正しくAさんが理解するまで辛抱強く説明してくださいともお願いしました。
それでも実際にやってみるとやはりミスが多く仕事が正しくできていない。
あるいは何度説明しても正しく仕事の内容を理解してくれない。
のであれば、発達障害の可能性もあるので、
慎重に対応をする必要があります。
発達障害は多種多様で
その特性によって
できること、できないこと
得意なこと、不得意なことがあるので
まずは本人と話をして
過去の経験の棚卸をして理解することから始めることが肝要です。
「ミスが多いAさん」はどうしてミスが多いのか。
を紐解いていくと色々な背景が浮かび上がり、
対応方法も見えてきます。
Aさんがあなたの周りにもいるのなら、
一番やってはいけないのは、放置することです。
積み重ね(その2)
前回問いかけをしました仕事の抜けが多いAさんについて、
貴方が同じ職場の同僚なら
あるいは直属の上司なら
あるいは雇用主ならどう対応するか?
ですがそれぞれの立場でどう対応するかについて考えると
Aさんについて捉え方が変わることに気づかれた人もいらっしゃったのではないかと思います。
あるいは、今置かれている立場によっても捉え方に影響がでていることに気づかれた方もいらっしゃるのではないかと思います。
まず、Aさんについて前回私はこのようなことをお伝えしました。
- Aさんは抜けが多く、そのため周囲は迷惑を被っている。
- 周囲に迷惑を掛けていることに対しAさんは何とも思っていないようだ(事業主談)
- Aさんが大きな失敗をして客先に迷惑を掛けた際に面談をした時のAさんの発言内容
- 間違った私も悪いが最後に上司の〇〇さんがきちんとチェックしてくれていたらこんなことにならなかった。
- この仕事の責任者は上司の〇〇さんなのだからチェックするのは当然
- 言われたことはちゃんとやっている。
そのほか面談中の私の心の声も記述していました。
まず謝らなくてはならないのは、面談の中の私の心の声は私の価値観から出た言葉であり、
バイアスがかかっているということです。
本来事実だけを伝えるべきところを、私の主観を入れたことで
事実を歪めて伝えてしまったわけです。
同じように2.に書きました「周囲に迷惑を掛けていることに対しAさんは何とも思っていないようだ」についても
これは事業主の主観から出た言葉であり
「本当にAさんは何とも思わず、響いていないのか?」という考えを持つことが
とても大切なのだと思います。
何にとってとても大切なのか?それは「この会社を救うために」です。
人材不足に苦しむ「この会社」のために、ひいては「この国のために」です。
Aさんの面談後、私は上司である〇〇さんに話をお聴きしました。
すると「使用しているシステムに正しく入力しさえすれば間違わないはずなので計算の内容までは確認しなかった」と。
「こんな簡単な入力を間違えます?普通!」と。
「その入力方法をAさんに説明したのですか?」とお聞きすると
「こんな簡単なこと、教えなくても画面を見ればわかるでしょう、普通!」と。
Aさんに「システムへの入力方法を正しく理解していたのか」お聴きすると
「誰も教えてくれなかったので、見よう見まねで自分なりの解釈で入力していた」と。
なんともお粗末なと貴方は笑ったかもしれませんが、
このようなことが
この会社に限らず、あちらこちらの会社で、組織で起こっているのが現実だと思います。
「誰も教えてくれなかったので、見よう見まねで自分なりの解釈で入力していた」
Aさんに対し貴方はどう思ったでしょうか?
「わからないなら聞かんとあかんやろ!」とほとんどの方が思われたのではないかと思います。
「与えられた仕事に対し責任を持つこと」は当然じゃないか。
でも、聞けない人、あるいは聞かない人がいるんです。
「聞いたら「こんなこともわからないのか」と馬鹿にされ、
怒られるに決まっている」と思い怖くて聞けない人。
自分で解決しなければならないと思い込んでいて「聞くこと」を思いつかない人。
何を聞いていいかわからず途方に暮れている人。
間違った解釈をしているのにそれが正しいと思い込み、聞く必要もないと思っている人。
そんな同僚や部下を目の前にすると貴方は
「わからないことはわかるまで聞くことができる」人
「責任をもって仕事をする」人になんとか変えようとするかもしれません。
時には叱咤することもあるでしょう。
それがこの人のためだからと。
でも何度言ってもこの人は変わってくれない。
わかってくれない。
聞かないことでミスを繰り返していると指摘しても、
全然響いていないし、ミスをしても平気なようだ。
そしてそのとばっちりを受けて余計な負荷がかかってしまう。
同僚なら「不公平だ。」という言葉が浮かぶかもしれません。
ああ、この人と働きたくない。
この人のせいで、会社の価値、
いや、自分の価値まで下がってしまう気がする。
こんな人と一緒に働くために頑張ってきたんじゃない。
(次回「積み重ね(その3)」に続きます)
