日記

2024-03-10 22:02:00

雇用される力

前回お話したアメリカのギャラップ社の調査では

仕事への熱意や職場への愛着を示す社員が一番多い国は

アメリカでした。

アメリカがトップである背景には

やる気を見せない社員はレイオフされることがあるようです。

 

なるほどですね。

 

同調査で仕事への熱意や職場への愛着を示す社員が一番少ない国日本。

 

厚労省調査による会社を辞める一番の理由は「給与・報酬が少なかったから」で、40.7%。

2位は事業または会社の将来に不安を感じたから(31.7%)

3位は労働時間が長かった、休暇が少なかったから(30.9%)と続きます。

 

よく相談される「人間関係」での退職は7位で13.8%で、

体感的にはもっと上位にあるかと思ったのですが

 「明日の米」の前では「人間関係」は「耐えるに値するもの」という方が多いということでしょうか。

ちなみに

2023年の日本の完全失業率は2.6%、

有効求人倍率(一人当たりの求人件数)は1.31倍で

アメリカの失業率は3.7%、

2023年の有効求人倍率を見つけられなかったのですが

2022年10月の有効求人倍率は1倍で

この数字だけで判断すると日本よりアメリカの労働環境は厳しく

「レイオフ」を前にしては

ワークエンゲージメント(活力、熱意、没頭によって特徴づけられる仕事に関連するポジティブで充実した心理状態)は死活問題なのかもしれません。

 

 ところで

エンプロイアビリティ(働き手が雇用され得る能力)という言葉をご存知でしょうか。

他国と比べると日本はまだまだ1社に留まる(終身雇用される)方が多いように思いますが、

それでも仕事や会社を変える事は珍しくなくなりつつあります。

即ち、1社のみで通用する能力だけでなく、企業を超えて適用する能力を身に着けることが、

今後のキャリア形成において重要になるということです。

 

もし貴方が消極的な理由でその場に留まっているのであれば

そしてそんな自分が嫌だと思っているならば

前へ進むための1つの手段として

一度厚生労働省の「エンプロイアビリティチェックシート(総合版)」

0000199569.pdf (mhlw.go.jp)

で自分のエンプロイアビリティを知ることから始めてみてはいかがでしょうか。

 

後悔しないために。

 

 

 

 

2024-03-03 22:30:00

耐えるに値するもの

大谷選手のご結婚、びっくりしましたなあ。

お相手とされている(巷の記事を信じるならば)のお写真などを拝見すると、

なるほど!と妙に納得した私。

WBCでの名言「憧れるのはやめましょう」や、

今回の結婚会見にしても

彼の言動に触れる度、

なんてまっとうに生きている人なんだと思います。

大谷翔平、かっこいいが過ぎます!

(て日本中が思ってるか)

 

はるか昔の話ですが、

大学でとある研究室の助手をしていた知り合いが、

しばらくアメリカの有名な大学教授のもとで1年ほど留学したことがあったのですが、

帰国したときにポツンと話したことが印象的で今でも覚えています。

「優秀な人が人格者だとは限らない」

その教授は周囲の人に対し、かなり独裁的で感情的だったようで

極東からきたアジア人である彼に対してはもはや「人間として」扱ってはくれず、

かなり屈辱的な日々だったようです。

それでも留学生活を全うしたのは、

 自分ではどうしようもない事で理不尽な扱いを受けてもなお、

耐えて留まるに値する何かがあったのでしょう。

その何かは

「自分が情熱を注いできた研究にとって確実にプラスになる」事だったのかもしれないし

「ここで成果を出さなければ研究者としてのキャリアアップは望めない」という思いだったのかもしれない。

何より「そんなつまらない奴に負けるような自分ではない」というプライドだったのかもしれない。

あるいはその全てが、

留まった理由だったのかもしれません。

「1年なんとか頑張ればよい」と先が見えていたことも大きいですよね。

 

留学中その教授に対してどんな気持ちでいたのか聞くと

「可哀そうな人だなあと思っていた」と涼しい顔で一言。

勿論腹の立つこともあったでしょうし、色々な思いをしてきたでしょうが、

その一言でやり過ごした彼に痺れました。

そして「成功する人はこういう人なんだ」

とも思っていました。

 

何でも日本の従業員は「世界一やる気がなく」

また年々「やる気度」が下がっていると最近いくつかのメディアで取り上げられていて

実際、アメリカのギャラップ社の調査では

仕事への熱意や職場への愛着を示す社員の割合は2022年で5%で、

調査した145ヵ国の中でイタリアと並び最低だったそうです。

テレビのインタビューでは

「実際の仕事量に見合った賃金を貰っていない」

「部下の作成した提案書を自分の名前に書きかえて

報告した上司が評価されているのを目の当たりにして「こういう人が出世する会社なんだ」と思ったとたんやる気が失せた」

「高卒で8年一生懸命やってきて課長補佐になったが、自分の給料が大卒の入社したての初任給と変わらないことを知った時に愕然とした」

等々、様々な理由が語られていましたが、

私には全ての人が言っている事は同じで

「頑張っても報われない」から「頑張っても仕方がない」のだと聞こえました。

 

だけど「留まっている」理由はなんでしょうか?

「会社を辞めた途端安定した収入がなくなり

次に安定した収入を得ることができるのか分からず不安。」

多くの方の一番の理由はこれに尽きるかと思います。

 

(次週につづく)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2024-02-25 22:15:00

前を向くために(その4)

前回私の新人時代のお話をしましたが、

何故おかしいと思ったことを言えなかったかというと

一番大きく心を占めていたのは

「どうせ言っても無駄」という気持ちだったと思います。

「電話をとるのは女の子の仕事」で

お昼休みは自席でお弁当を食べている「女の子」がとるのが当たり前という風土の会社で

(同じ所属で同じ職種であっても男性社員の社外の人に対する同僚の女性の固有名詞が「うちの女の子」という時代でもありました)

言ったところで「仕方がない」と思っていたわけです。

言ったところでまわりの共感を得られなければ仕方がない。

  

それからは違和感を感じつつも、日々の仕事に忙殺され、

いえ、仕事をしていると余計な事を考えずに済むのでむしろ仕事に没頭し、

 「考える」ことを止めていったように思います。

 

もし私が遠慮なく自分の考えを「主張」していたらまわりの先輩はどう見たでしょう?

 「仕事もろくに覚えていないくせに権利ばっかり主張して。」

 「扱いづらそう。こんな女苦手。」

「仕事ができるようになってから言え!」

 

なんて思う人もいるかも知れません。

 

 

もし貴方が当時の私の先輩や上司だったらどうでしょうか?

どう接しますか?

私の話を聴いて下さいますか?

今回の事例とは関係なく(時代も違いますし)

話を聴いてご自分の価値観と合わない場合、どうされますか?

 

ご自分の価値観は今まで貴方が生きてきた環境、時代や今まで経験したこと、

その中で色々感じてきた思いから培われたもので

私は私の価値観を持っていて、

例えば私の考え方や行動が

自分の価値観からは到底許し難いことや、理解しがたいことであった場合、

不快に思うし認めることはとても難しいですよね。

多様性の理解と言うけれども

人との違いを受け入れることは本当に難しいです。

 

 ですが、「人は違って当たり前」なのだから

「自分の考え」をきちんと話して「相手の考え」をやみくもに否定せずしっかり聴くことが出来る人、

まわりに居ませんか?

そういう人の存在に気づくことができたら、

その人に自分の考えを話してみたら、その考えに率直に向き合ってくださるかもしれません。

そうして、どんどん息がしやすくなるかも。

 

そういう人がまわりに居ないと思うなら、

もう自分がやるっきゃない。

もう既に貴方自身が、そういう方なのかも知れません。

そうであれば、きっと周りの方は幸せだろうなあ。

 自分の話を聴いてくれる人が居るだけで、

どれだけ救われる事か。

そのことに、会社を辞めて独立して色々な人と接する中で

やっと気づくようになり、遅ればせながらようやく

「自分の考え」をきちんと話して「相手の考え」をしっかり聴くことが

少しずつできるようになりました。

そうすると、私を取り巻く環境が少しずつ変化して、

世間が私に優しくなってきて、だんだんと息をするのが楽になってきましたもの。

 

遅すぎるって?

そうかもしれませんが、でも気づけてよかったと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2024-02-18 22:00:00

前を向くために(その3)

前回、ストレス反応のお話で終わっておりました。

 

新たに組織(学校でも、職場でも)に加わった当初は

色々なところに目が行き、色々な事を感じるかと思います。

それぞれの組織には「文化」「風土」があり。

それは自宅ではないお宅に招かれた場合、

そのお宅独特の匂いを感じるのだけれども、

しばらくするとその匂いになれて

いつのまにか違和感を感じなくなるように

最初は感じていた違和感もだんだん感じなくなり

馴染んでくる。

私達が例えば温暖な環境から砂漠へと移動した場合、

最初はとても辛く死ぬ思いをするものの

1週間ほどで

環境条件の変化を相殺する体内の調整が行われて、

新しい環境に自然に順応するからこそ

順応しなければ

本来は死んでしまうであろう環境での生存が可能となるそうで

人は環境に順応するからこそ生きていけるので

違和感を感じなくなるのは自然の摂理なのかもしれません。

そうすることで、

知らず知らずのうちに「ストレス反応」を緩和できている。

 

ですが、

組織においては

「違和感を感じた」ことが大切で

それが当たり前になる前に提言出来たら

それはとんでもない組織改革に繋がる可能性がありますよね。

 

私が以前勤めていた会社に入社したての頃

お昼休みに鳴る電話をとるのは

自席でお弁当を食べている「女子」で、

これは誰が決めたわけではなく

自席でお弁当を食べている「女子」が好意で行っており

電話が鳴ると急いでご飯を飲み込んで

進んで電話に出ていました。

「なんで当番を決めないの?」と思いましたが

「女子」達は「それが当たり前」と違和感なくやっておられるように見えたし

「おかしいと思っているのは私だけなのかな。」

「おかしいと思っている私がおかしいのかな。」

「新人の私が言ったら「生意気な女」と思われるかな」と思ったりで

結局誰にも言わずじまいでやり過ごしてしまいました。

 

「たかが電話」と思われるでしょうが

 私は「好意」に甘える組織の有様や

「女子」がとることが当たり前になっていることに

腹が立って仕方なかったのです。

にもかかわらず、

何もアクションを起こせなかった。

いや、起こさなかったわけです。

 

その後も「自分がどう思うか」ではなく

「周りの人がどう思うか」を優先した私は

「自分の価値観で考える」ことを

忘れていきました。

 

あの時「私はおかしいと思います」と言えていても

状況は変わらなかったかもしれませんが

言えた私は「ありたい自分」の姿だったわけで

大袈裟ですが

その後の私の生き方は大いに変わっていたのではないかと

思うのです。

 

もしかすると「風通しが悪い」「言っても仕方がない」

と思っていた組織は

実は「話せばわかる」「柔軟性のある」組織であったのかもしれず

それは実際に声をあげてみないと分からないですね。

次週このシリーズ最終回です。

(の予定です)

 

もう少しお付き合いくださいませ。

2024-02-11 22:08:00

「前を向く」ために(その2)

3連休如何お過ごしですか?

私は確定申告やら仕事やらであっぷあっぷしております>_<

そんな中でも今話題のケーキをがっちり購入するために大混雑のデパ地下に出向く私。

 

はい、あほですっ!

 

戦利品のケーキがこれですっ!

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下にお皿がなかったら勘違いしそうな籠型ケーキで、

がばっと割るとこんな感じで、

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座布団型やミトン型ケーキを販売している「マサヒコオズミパリ」の

「チーズケーキシトロン京檸檬」(1個901円也)というケーキで

ついこのあいだまで阪急百貨店本店でおひとり様1個限りで予約販売していたのですが、

今は予定個数に達したため予約販売していないらしいです。

 

「形が珍しいだけで901円てっ!高っ!」

と思っていた私ですが、これがっ!かなりの美味で、うんまいっ!

ええ仕事してはるんですわ。

ちなみにボタンは抹茶味のチョコレートで、持ち手はタルト生地のような食感。

3Dプリンタを駆使する関西大学建築学科出身マサヒコオズミシェフ。

世の中になかったものを生み出したマサヒコオズミシェフ。

こういう才能ある方を知るだけで、私自身のモチベーションがかなりあがります。

 

なぜ?

 

反対に

「あんな風になりたくない。」と思う人に接すると気分が悪くなり、関わりたくないと思う。

 

なぜ?

 

今回の本題は職場の中で「自分らしく」あることの話なのですが

まずは今週ストレスの話をちょこっとしたいと思います。

 

私達は家族や学校や職場で様々な人間関係の中、

様々なストレスを抱えて生きているわけですが

ストレスは

ストレッサーと呼ばれるストレスの原因(個人にとって負担となる出来事等)と

ストレス反応(ストレッサーによって引き起こされた反応)とが合わさった総称で、

ストレッサーに対し人は様々なストレス反応を起こします。

 

で、このストレス反応に大いに関係するのが

「闘争・逃走反応」(fight-or-flight response)

これは動物が示す恐怖への反応で、

「危機的状況におかれた場合、戦うか逃げるか、身動きを止める方法で生き延びてきたため備わったと考えられている」

でも肝心なのは「この際通常は発揮できない力を発揮するので、

緊急時に使用しない内臓への血流が絞られたり判断力が低下するため、

ストレスを受け続けると心身に影響が出る」(byウィキペディア)ので

メンタルへルス不調につながるわけです。

 

動物だもの。

 

最初はストレッサーに対し一生懸命撥ねつけていても

徐々に力、気力がなくなり撥ねつける力がなくなりメンタル不調となる

というと実感がわくのではと思います。

 

心が目に見えたら良いのですが、

人の心はもとより自分の心の中にあるもの

「知らず知らずに溜まっていく自分の心にあるもの」にも

気づくことは難しく、ふとした時に気づき、愕然とする事、

ありませんか?

そしてそれは人を介してこそ気づきませんか?

(次週へつづく)

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