日記
積み重ね(その3)
Aさんは一生懸命に仕事に取り組んでいるのに、会社が望む成果を出せていない。
ミスが多く、他の社員に比べ著しく生産性が低い。
「ローパフォーマー」という言葉を思い浮かべた方もいらっしゃるのではないかと思います。
実際には周囲からは
「いくら注意をしても響かない。」
「あんなにミスをして人に迷惑を掛けているのによく平気でいられるものだ。図々しい」
「こっちはAさんの倍以上の仕事をこなしているのに、さも大変な仕事量だというようにため息をつくのが腹が立つ」
等々の声が聞こえ、モチベーションに影響していることが伺えました。
Aさんをそのままにしておくと、会社の生産性にも大いに影響することは明らかです。
ですので、事業主としては不当解雇にならないよう労働問題に詳しい弁護士に相談し対応するのも一計だと思います。
ですが「ローパフォーマー」になる要因は色々あり、
もしかするとAさんを解雇しても第2のAさんが現れるかもしれません。
最初は意気揚々と入社したAさんでしたが、
「入社してすぐ与えられた仕事の内容の説明を受けても理解できず、
質問をすると「こんなことも分からないのか」と呆れたように言われ
それがトラウマになって分からないことがあっても自分でなんとか解決しようとして、
色々調べるから時間が余計にかかってしまい、
自分なりに解釈したことが正しいか間違っているのか判断がつかないまま
「できない人間」と思われたくなく仕事を進めてしまう」
ということが話を聴くうちにわかってきました。
話を聴いているうちに
仕事の成果は評価されず、いつも怒られてきたAさん。
周りには私の味方は誰もいないと心を閉ざし
「意固地になっていた」とも話しだしました。
上司の〇〇さんとも話をして、
仕事を依頼するとき
指示を正しくAさんが理解しているのか確認するようにお願いしました。
正しくAさんが理解するまで辛抱強く説明してくださいともお願いしました。
それでも実際にやってみるとやはりミスが多く仕事が正しくできていない。
あるいは何度説明しても正しく仕事の内容を理解してくれない。
のであれば、発達障害の可能性もあるので、
慎重に対応をする必要があります。
発達障害は多種多様で
その特性によって
できること、できないこと
得意なこと、不得意なことがあるので
まずは本人と話をして
過去の経験の棚卸をして理解することから始めることが肝要です。
「ミスが多いAさん」はどうしてミスが多いのか。
を紐解いていくと色々な背景が浮かび上がり、
対応方法も見えてきます。
Aさんがあなたの周りにもいるのなら、
一番やってはいけないのは、放置することです。