日記
抱きしめるもの
8月も終わりますね。
焦る。。
毎月言っているような気がしますが、今月は特に焦っています。
なんせ9月1日から値上げするものが多すぎる!(そこ?)
お茶漬けやアイスクリームやカレーやら、
ついつい買いだめしてしまった私。
今もトイレットペーパーやらカレーやらを詰め込んだ
無印良品の荷物をそわそわ待っております。
8月の初めに「発達障害」について書きましたが、
「発達障害」ではなく
「神経多様性」(ニューロダイバーシティ)という言葉がふさわしいことに気づきました。
学びが浅かったなあとお恥ずかしゅうございます。
「障害」というと、どうしても疾患や病気、欠陥と結びついてしまいますが、
脳や神経の働き方の違いは人間が持つ多様な特性のひとつであり、
「能力の欠如」ではなく「自然な変異」であり、
自閉スペクトラム症やADHDなどの特性を持つ人は
「ニューロマイノリティ」であると捉えるこの「神経多様性」という言葉が
しっくりくるなあとしみじみ思います。
生きづらい特性を抱えながらも「強み」もありその特性を理解することが
これからの企業、そして私達個人の成長に欠かせない視点かと思います。
話は変わりますがっ!
私、551蓬莱のアイスキャンデーが大好きで
昨日帰宅途中にいそいそとあべのハルカス近鉄百貨店地下入口前の売り場で購入したのですが、
その横でさつまいものスィーツを一生懸命販売している私より年上であろうお姉さまが目に留まり。
「おねえさん!、日持ちどの位?」と
アイスキャンデー清算中にお姉さまに声掛けした私(大阪のおばちゃんあるあるですよね?ね?)
そこからおねえさまの売り場に移動、意気投合し歌まで歌ってくれました。
(ポテトもとてもとても美味で4パック買ってしまいました。「はちみつとさつまいも工房」という期間限定出店のお店です)
帰り際、「ありがとう!またね!」と私の手を握ってくださり。
その手と私を見つめてくれるおねえさまの目がなんとも。
母を思い出し、帰りの道すがら泣けて泣けて困りました。
神戸で恐ろしい事件があり、
「人は刺すものではなく、抱きしめるものだよ」
という「すいか」というドラマのセリフに感動したと
以前書きましたが、その言葉の虚しさを今思っています。
海外のドラマや映画を観ると、ハグする場面がよく出てきますが、
日本では、特に私のような世代では難しいですね。
実際によほど親密な関係にない限り
人を抱きしめるのは難しい。
母が亡くなった時、もっともっと触れ合っていればよかったと後悔しました。
手を握るだけでも良かったんだ。
それだけで伝わるものがいっぱいある。
「そこに愛はあるんか?」
あります。間違いなく。
積み重ね(その4)
前回「発達障害」という言葉が出てきました。
発達障害を抱える方の就労支援を行っている社会福祉士さんのお話を聞く機会があり、
職場でどのような困難があるのか知るべくいくつかの事例を研究したのですが、
キーワードは「誰しも持っている」なのだと思いました。
計画を立てて実行することが苦手
話を整理して理解するのが苦手
話がまとまらない
話が終わらない
冗談が通じない
集中すると周りがみえなくなる
臨機応変が苦手
場の空気を読むのが苦手
等々。。
「あ、△△さんのことや!」
あるいは「私の事や!」と思われた方もいらっしゃるのではないかと思います。
発達障害は
「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、
学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であって
その症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」
と発達障害者支援法で定義されています。
通常低年齢において発現するものですが、わかりにくいっ!
さきほどあげた特徴を持つ人ってまわりにいるし、私にも当てはまる特徴あるし。。
グレーなんですよね。
なんとも分かりにくく、理解されにくい障害なので
発現に気づかず大人になって社会に出ると、色々な壁にぶち当たります。
ミスをする→怒られる→
怒られたところ、指摘されたところに集中してしまう→
本来やるべき仕事に集中できず、ミスをしてまた怒らる。
なんてことにもなり得るし、他にも抱えている困りごとがあるかもしれません。
では周りにいる人たちはどうすればよいのか。
2024年4月に「改正障害者差別解消法」が施行され、
「合理化配慮の提供」が義務化されたことはご存じでしょうか?
以下内閣府㏋からの抜粋です。
「障害者やその家族、介助者等、
コミュニケーションを支援する者から何らかの配慮を求める意思の表明があった場合には、
その実施に伴う負担が過重でない範囲で、
社会的障壁を取り除くために必要かつ合理的な配慮を行うことが求められる。
2024年4月1日に施行する「改正障害者差別解消法」により、
事業者による「合理的配慮の提供」は、努力義務から義務へと改められる。」
となっています。
では、発達障害者に対する「合理的配慮」とは、と問われると難しいですよね。
得てしてコミュニケーションが苦手で自分の思いや考えを充分に伝えることができない人に対し、
合意を得ずに
良かれと思って勝手な決めつけで選択の自由を奪っていながら「合理的配慮」と行いがちになりませんか?
そうなってくるとその内容がとても素晴らしいものであっても、
「上から目線」のその配慮は
本人にとっては劣等感に苛まれ状況は悪化するかもしれません。
発達障害者にとって必要な「合理的配慮」とは配慮される側と配慮する側の合意がなければならない。
合意は本人の意思がなければ得られません。
そのためにはどんなことで悩み、困っているのか。
できること、得意なことは?
まずは相手を知ろう、理解しようというところから対応していくことが肝要で
ここを間違えてはいけません。
そうやって試行錯誤を繰り返しながら共に成長していくことで、
多様性というものを理解していけるのかと思います。
どうして多様性の理解が大切なのか。
それが人材不足に喘ぐ会社にとってはもとより、
人として成長するために
ひいては私たちの未来のために
とても重要なことだからです。
積み重ね(その3)
Aさんは一生懸命に仕事に取り組んでいるのに、会社が望む成果を出せていない。
ミスが多く、他の社員に比べ著しく生産性が低い。
「ローパフォーマー」という言葉を思い浮かべた方もいらっしゃるのではないかと思います。
実際には周囲からは
「いくら注意をしても響かない。」
「あんなにミスをして人に迷惑を掛けているのによく平気でいられるものだ。図々しい」
「こっちはAさんの倍以上の仕事をこなしているのに、さも大変な仕事量だというようにため息をつくのが腹が立つ」
等々の声が聞こえ、モチベーションに影響していることが伺えました。
Aさんをそのままにしておくと、会社の生産性にも大いに影響することは明らかです。
ですので、事業主としては不当解雇にならないよう労働問題に詳しい弁護士に相談し対応するのも一計だと思います。
ですが「ローパフォーマー」になる要因は色々あり、
もしかするとAさんを解雇しても第2のAさんが現れるかもしれません。
最初は意気揚々と入社したAさんでしたが、
「入社してすぐ与えられた仕事の内容の説明を受けても理解できず、
質問をすると「こんなことも分からないのか」と呆れたように言われ
それがトラウマになって分からないことがあっても自分でなんとか解決しようとして、
色々調べるから時間が余計にかかってしまい、
自分なりに解釈したことが正しいか間違っているのか判断がつかないまま
「できない人間」と思われたくなく仕事を進めてしまう」
ということが話を聴くうちにわかってきました。
話を聴いているうちに
仕事の成果は評価されず、いつも怒られてきたAさん。
周りには私の味方は誰もいないと心を閉ざし
「意固地になっていた」とも話しだしました。
上司の〇〇さんとも話をして、
仕事を依頼するとき
指示を正しくAさんが理解しているのか確認するようにお願いしました。
正しくAさんが理解するまで辛抱強く説明してくださいともお願いしました。
それでも実際にやってみるとやはりミスが多く仕事が正しくできていない。
あるいは何度説明しても正しく仕事の内容を理解してくれない。
のであれば、発達障害の可能性もあるので、
慎重に対応をする必要があります。
発達障害は多種多様で
その特性によって
できること、できないこと
得意なこと、不得意なことがあるので
まずは本人と話をして
過去の経験の棚卸をして理解することから始めることが肝要です。
「ミスが多いAさん」はどうしてミスが多いのか。
を紐解いていくと色々な背景が浮かび上がり、
対応方法も見えてきます。
Aさんがあなたの周りにもいるのなら、
一番やってはいけないのは、放置することです。
積み重ね(その2)
前回問いかけをしました仕事の抜けが多いAさんについて、
貴方が同じ職場の同僚なら
あるいは直属の上司なら
あるいは雇用主ならどう対応するか?
ですがそれぞれの立場でどう対応するかについて考えると
Aさんについて捉え方が変わることに気づかれた人もいらっしゃったのではないかと思います。
あるいは、今置かれている立場によっても捉え方に影響がでていることに気づかれた方もいらっしゃるのではないかと思います。
まず、Aさんについて前回私はこのようなことをお伝えしました。
- Aさんは抜けが多く、そのため周囲は迷惑を被っている。
- 周囲に迷惑を掛けていることに対しAさんは何とも思っていないようだ(事業主談)
- Aさんが大きな失敗をして客先に迷惑を掛けた際に面談をした時のAさんの発言内容
- 間違った私も悪いが最後に上司の〇〇さんがきちんとチェックしてくれていたらこんなことにならなかった。
- この仕事の責任者は上司の〇〇さんなのだからチェックするのは当然
- 言われたことはちゃんとやっている。
そのほか面談中の私の心の声も記述していました。
まず謝らなくてはならないのは、面談の中の私の心の声は私の価値観から出た言葉であり、
バイアスがかかっているということです。
本来事実だけを伝えるべきところを、私の主観を入れたことで
事実を歪めて伝えてしまったわけです。
同じように2.に書きました「周囲に迷惑を掛けていることに対しAさんは何とも思っていないようだ」についても
これは事業主の主観から出た言葉であり
「本当にAさんは何とも思わず、響いていないのか?」という考えを持つことが
とても大切なのだと思います。
何にとってとても大切なのか?それは「この会社を救うために」です。
人材不足に苦しむ「この会社」のために、ひいては「この国のために」です。
Aさんの面談後、私は上司である〇〇さんに話をお聴きしました。
すると「使用しているシステムに正しく入力しさえすれば間違わないはずなので計算の内容までは確認しなかった」と。
「こんな簡単な入力を間違えます?普通!」と。
「その入力方法をAさんに説明したのですか?」とお聞きすると
「こんな簡単なこと、教えなくても画面を見ればわかるでしょう、普通!」と。
Aさんに「システムへの入力方法を正しく理解していたのか」お聴きすると
「誰も教えてくれなかったので、見よう見まねで自分なりの解釈で入力していた」と。
なんともお粗末なと貴方は笑ったかもしれませんが、
このようなことが
この会社に限らず、あちらこちらの会社で、組織で起こっているのが現実だと思います。
「誰も教えてくれなかったので、見よう見まねで自分なりの解釈で入力していた」
Aさんに対し貴方はどう思ったでしょうか?
「わからないなら聞かんとあかんやろ!」とほとんどの方が思われたのではないかと思います。
「与えられた仕事に対し責任を持つこと」は当然じゃないか。
でも、聞けない人、あるいは聞かない人がいるんです。
「聞いたら「こんなこともわからないのか」と馬鹿にされ、
怒られるに決まっている」と思い怖くて聞けない人。
自分で解決しなければならないと思い込んでいて「聞くこと」を思いつかない人。
何を聞いていいかわからず途方に暮れている人。
間違った解釈をしているのにそれが正しいと思い込み、聞く必要もないと思っている人。
そんな同僚や部下を目の前にすると貴方は
「わからないことはわかるまで聞くことができる」人
「責任をもって仕事をする」人になんとか変えようとするかもしれません。
時には叱咤することもあるでしょう。
それがこの人のためだからと。
でも何度言ってもこの人は変わってくれない。
わかってくれない。
聞かないことでミスを繰り返していると指摘しても、
全然響いていないし、ミスをしても平気なようだ。
そしてそのとばっちりを受けて余計な負荷がかかってしまう。
同僚なら「不公平だ。」という言葉が浮かぶかもしれません。
ああ、この人と働きたくない。
この人のせいで、会社の価値、
いや、自分の価値まで下がってしまう気がする。
こんな人と一緒に働くために頑張ってきたんじゃない。
(次回「積み重ね(その3)」に続きます)
積み重ね(その1)
暑いですね。
3連休いかがお過ごしですか?
3連休しっかり休める方は思いっきり休日満喫されていたらいいなあ。
仕事するときはとことん。
遊ぶときはとことん。
昔井上陽水が出ていたCMにありました
「くうねるあそぶ」
いっぱい食べて寝て遊んで元気になる。
それがどれほど贅沢なことなのか
知っているからこそ思いっきり遊ぶ。
ということを私は会社勤めの時には全く思わず。
もっと早くにそういうふうに生きていたら人生変わっていたと思いますが
会社勤めの時は
「仕事」がすべてだっといっても過言ではなかった私。
退職して自分で仕事を選んで自分で働く時間を決めて、
という生活を送るようになってから、
価値観が大きく変わり、
久しぶりにあった知人からは「こんな人でしたっけ?」と言われるほど
性格も当時とは違ってきているようです。
価値観も性格も、自分がもともと持っているパーソナリティに加えて
育った環境や経験が大いに影響を与えますよね。
あるSNSで性格とは「そうならなければ生きてこれなかった」結果という投稿を見つけ
なるほどなあと思いました。
価値観も性格も、言葉ではなかなか言い切れないもの。
「○○ちゃんて明るい性格ね」と言われても
「いやいや、一人でいるときは思いっきり暗くてむしろ根暗だと思うんですけど」
なんて心の中で思ったりしませんか?
「私の何を知っているの?わかったように決めつけないで」とむっとしたり。
言葉ではなかなか言い切れませんが、今まで経験してきたことに対してどんなふうに思い、感じてきたか。
どんなふうに行動してきたか、乗り越えてきたかによって生まれた比較基準があり
だからこそ人と接すると自分の価値観と合う合わないが出てくるのは当然ですよね。
あなたと同じ環境で同じ経験をしてきた人は
あなたしかいないのだから。
あなたが「正しい」と信じていることがあの人にとって「正しい」とは限らず
あなたが「普通」と思っていることがあの人にとって「普通」とは限らず
です。
先日ある事業主の方と話したのですが
従業員の一人が「与えられた仕事」に対して
抜けが多く注意しても一向に直らず。
本人は一生懸命仕事をしていて
さぼっているわけではないから辞めてもらうわけにもいかず。
「どうしたものかと思っています」と頭を抱えられていらっしゃいました。
なにより
余裕のない中その人の「抜け」をフォローするために周りが迷惑を被っていることに対して
「その人は「なんとも思っておらず響いていない」ので
「自分のせいで周りに迷惑をかけているから身の置き場がない」と辞めるような人では決してない」
のだと。
実は別の事業主の方から数年前に同じような相談をうけたことがあり。
その方から見ると「やはり周りが迷惑していることが響いていない」のだと。
その問題になっている従業員の方(仮にAさんとします)が大きなミスをしてそのリカバリに周りの方が四苦八苦している中
(大きな計算違いをしていた資料をそのまま客先に出してしまったため会社の信頼も揺らいだ)
Aさんと面談させていただいたのですが
「間違った私も悪いですが、最後に〇〇さんがきちんとチェックしてくれていたらこんなことにならなかった」と。
おお..。
「〇〇さんが最終チェックすることになっていたのですか?」とお聞きすると
「この仕事の責任者は〇〇さんなのでチェックするのは当然ですよね?」と。
おお..。
はい、〇〇さんは客先に頭を下げてリカバリに走り回りチェックが不十分だった責任をきっちりとっておられます。
「でもこの仕事はAさんが任されていたんですよね?」とお聞きすると
「言われたことはちゃんとやっています」と。
いや、やれていないからこんな結果になっているのでは?
と思いつつ自己防衛のため他責になっているAさんの心理状態を思っておりました。
さて問題です。
1.あなたがAさんと同僚だとしたら、あなたはどのように思い、どのように対応しますか?
2.あなたがAさんの上司〇〇さんだとしたら、あなたはどう対応しますか?
3.あなたがAさんを雇用している事業主だとしたら、あなたはどう対応しますか?
次回来週日曜までに少し考えていただけると幸いでございます。