日記

2025-08-03 22:22:00

積み重ね(その3)

Aさんは一生懸命に仕事に取り組んでいるのに、会社が望む成果を出せていない。

ミスが多く、他の社員に比べ著しく生産性が低い。

「ローパフォーマー」という言葉を思い浮かべた方もいらっしゃるのではないかと思います。

 

実際には周囲からは

「いくら注意をしても響かない。」

「あんなにミスをして人に迷惑を掛けているのによく平気でいられるものだ。図々しい」 

「こっちはAさんの倍以上の仕事をこなしているのに、さも大変な仕事量だというようにため息をつくのが腹が立つ」

等々の声が聞こえ、モチベーションに影響していることが伺えました。

Aさんをそのままにしておくと、会社の生産性にも大いに影響することは明らかです。

ですので、事業主としては不当解雇にならないよう労働問題に詳しい弁護士に相談し対応するのも一計だと思います。

 

ですが「ローパフォーマー」になる要因は色々あり、

もしかするとAさんを解雇しても第2のAさんが現れるかもしれません。

 

最初は意気揚々と入社したAさんでしたが、

「入社してすぐ与えられた仕事の内容の説明を受けても理解できず、

質問をすると「こんなことも分からないのか」と呆れたように言われ

それがトラウマになって分からないことがあっても自分でなんとか解決しようとして、

色々調べるから時間が余計にかかってしまい、

自分なりに解釈したことが正しいか間違っているのか判断がつかないまま

「できない人間」と思われたくなく仕事を進めてしまう」

ということが話を聴くうちにわかってきました。

 

話を聴いているうちに

仕事の成果は評価されず、いつも怒られてきたAさん。

周りには私の味方は誰もいないと心を閉ざし

「意固地になっていた」とも話しだしました。

 

上司の〇〇さんとも話をして、

仕事を依頼するとき

指示を正しくAさんが理解しているのか確認するようにお願いしました。

正しくAさんが理解するまで辛抱強く説明してくださいともお願いしました。

 

それでも実際にやってみるとやはりミスが多く仕事が正しくできていない。

あるいは何度説明しても正しく仕事の内容を理解してくれない。

のであれば、発達障害の可能性もあるので、

慎重に対応をする必要があります。

 

発達障害は多種多様で

その特性によって

できること、できないこと

得意なこと、不得意なことがあるので

まずは本人と話をして

過去の経験の棚卸をして理解することから始めることが肝要です。

 

「ミスが多いAさん」はどうしてミスが多いのか。

を紐解いていくと色々な背景が浮かび上がり、

対応方法も見えてきます。

 

Aさんがあなたの周りにもいるのなら、

一番やってはいけないのは、放置することです。 

 

2025-07-27 21:40:00

積み重ね(その2)

前回問いかけをしました仕事の抜けが多いAさんについて、

貴方が同じ職場の同僚なら

あるいは直属の上司なら

あるいは雇用主ならどう対応するか?

ですがそれぞれの立場でどう対応するかについて考えると

Aさんについて捉え方が変わることに気づかれた人もいらっしゃったのではないかと思います。

あるいは、今置かれている立場によっても捉え方に影響がでていることに気づかれた方もいらっしゃるのではないかと思います。

 

まず、Aさんについて前回私はこのようなことをお伝えしました。

  1. Aさんは抜けが多く、そのため周囲は迷惑を被っている。
  2. 周囲に迷惑を掛けていることに対しAさんは何とも思っていないようだ(事業主談)
  3. Aさんが大きな失敗をして客先に迷惑を掛けた際に面談をした時のAさんの発言内容
  • 間違った私も悪いが最後に上司の〇〇さんがきちんとチェックしてくれていたらこんなことにならなかった。
  • この仕事の責任者は上司の〇〇さんなのだからチェックするのは当然
  • 言われたことはちゃんとやっている。

 

そのほか面談中の私の心の声も記述していました。

まず謝らなくてはならないのは、面談の中の私の心の声は私の価値観から出た言葉であり、

バイアスがかかっているということです。

本来事実だけを伝えるべきところを、私の主観を入れたことで

事実を歪めて伝えてしまったわけです。

 

同じように2.に書きました「周囲に迷惑を掛けていることに対しAさんは何とも思っていないようだ」についても

これは事業主の主観から出た言葉であり

「本当にAさんは何とも思わず、響いていないのか?」という考えを持つことが

とても大切なのだと思います。

 

何にとってとても大切なのか?それは「この会社を救うために」です。

人材不足に苦しむ「この会社」のために、ひいては「この国のために」です。

 

Aさんの面談後、私は上司である〇〇さんに話をお聴きしました。

すると「使用しているシステムに正しく入力しさえすれば間違わないはずなので計算の内容までは確認しなかった」と。

「こんな簡単な入力を間違えます?普通!」と。

「その入力方法をAさんに説明したのですか?」とお聞きすると

「こんな簡単なこと、教えなくても画面を見ればわかるでしょう、普通!」と。

 

Aさんに「システムへの入力方法を正しく理解していたのか」お聴きすると

「誰も教えてくれなかったので、見よう見まねで自分なりの解釈で入力していた」と。

 

なんともお粗末なと貴方は笑ったかもしれませんが、

このようなことが

この会社に限らず、あちらこちらの会社で、組織で起こっているのが現実だと思います。

 

「誰も教えてくれなかったので、見よう見まねで自分なりの解釈で入力していた」

Aさんに対し貴方はどう思ったでしょうか?

「わからないなら聞かんとあかんやろ!」とほとんどの方が思われたのではないかと思います。

「与えられた仕事に対し責任を持つこと」は当然じゃないか。

 

でも、聞けない人、あるいは聞かない人がいるんです。

「聞いたら「こんなこともわからないのか」と馬鹿にされ、

怒られるに決まっている」と思い怖くて聞けない人。

自分で解決しなければならないと思い込んでいて「聞くこと」を思いつかない人。

何を聞いていいかわからず途方に暮れている人。

間違った解釈をしているのにそれが正しいと思い込み、聞く必要もないと思っている人。

 

そんな同僚や部下を目の前にすると貴方は

「わからないことはわかるまで聞くことができる」人

「責任をもって仕事をする」人になんとか変えようとするかもしれません。

時には叱咤することもあるでしょう。

 

それがこの人のためだからと。

 

 でも何度言ってもこの人は変わってくれない。

わかってくれない。

聞かないことでミスを繰り返していると指摘しても、

全然響いていないし、ミスをしても平気なようだ。

そしてそのとばっちりを受けて余計な負荷がかかってしまう。

 

同僚なら「不公平だ。」という言葉が浮かぶかもしれません。

 

ああ、この人と働きたくない。

この人のせいで、会社の価値、

いや、自分の価値まで下がってしまう気がする。

こんな人と一緒に働くために頑張ってきたんじゃない。

 

 (次回「積み重ね(その3)」に続きます)

 

 

 

 

2025-07-20 15:30:00

積み重ね(その1)

 暑いですね。

3連休いかがお過ごしですか?

  

3連休しっかり休める方は思いっきり休日満喫されていたらいいなあ。

仕事するときはとことん。

遊ぶときはとことん。

昔井上陽水が出ていたCMにありました

「くうねるあそぶ」

いっぱい食べて寝て遊んで元気になる。

 

それがどれほど贅沢なことなのか

知っているからこそ思いっきり遊ぶ。

 

ということを私は会社勤めの時には全く思わず。

もっと早くにそういうふうに生きていたら人生変わっていたと思いますが

会社勤めの時は

「仕事」がすべてだっといっても過言ではなかった私。

退職して自分で仕事を選んで自分で働く時間を決めて、

という生活を送るようになってから、

価値観が大きく変わり、

久しぶりにあった知人からは「こんな人でしたっけ?」と言われるほど

性格も当時とは違ってきているようです。

 

価値観も性格も、自分がもともと持っているパーソナリティに加えて

育った環境や経験が大いに影響を与えますよね。

あるSNSで性格とは「そうならなければ生きてこれなかった」結果という投稿を見つけ

なるほどなあと思いました。

価値観も性格も、言葉ではなかなか言い切れないもの。

「○○ちゃんて明るい性格ね」と言われても

「いやいや、一人でいるときは思いっきり暗くてむしろ根暗だと思うんですけど」

なんて心の中で思ったりしませんか?

「私の何を知っているの?わかったように決めつけないで」とむっとしたり。

 

言葉ではなかなか言い切れませんが、今まで経験してきたことに対してどんなふうに思い、感じてきたか。

どんなふうに行動してきたか、乗り越えてきたかによって生まれた比較基準があり

だからこそ人と接すると自分の価値観と合う合わないが出てくるのは当然ですよね。

あなたと同じ環境で同じ経験をしてきた人は

あなたしかいないのだから。

あなたが「正しい」と信じていることがあの人にとって「正しい」とは限らず

あなたが「普通」と思っていることがあの人にとって「普通」とは限らず

です。

 

先日ある事業主の方と話したのですが

従業員の一人が「与えられた仕事」に対して

抜けが多く注意しても一向に直らず。

本人は一生懸命仕事をしていて

さぼっているわけではないから辞めてもらうわけにもいかず。

「どうしたものかと思っています」と頭を抱えられていらっしゃいました。

 

なにより

余裕のない中その人の「抜け」をフォローするために周りが迷惑を被っていることに対して

「その人は「なんとも思っておらず響いていない」ので

「自分のせいで周りに迷惑をかけているから身の置き場がない」と辞めるような人では決してない」

のだと。

 

実は別の事業主の方から数年前に同じような相談をうけたことがあり。

その方から見ると「やはり周りが迷惑していることが響いていない」のだと。

その問題になっている従業員の方(仮にAさんとします)が大きなミスをしてそのリカバリに周りの方が四苦八苦している中

(大きな計算違いをしていた資料をそのまま客先に出してしまったため会社の信頼も揺らいだ)

Aさんと面談させていただいたのですが

「間違った私も悪いですが、最後に〇〇さんがきちんとチェックしてくれていたらこんなことにならなかった」と。

おお..。

「〇〇さんが最終チェックすることになっていたのですか?」とお聞きすると

「この仕事の責任者は〇〇さんなのでチェックするのは当然ですよね?」と。

おお..。

はい、〇〇さんは客先に頭を下げてリカバリに走り回りチェックが不十分だった責任をきっちりとっておられます。

 

「でもこの仕事はAさんが任されていたんですよね?」とお聞きすると

「言われたことはちゃんとやっています」と。

いや、やれていないからこんな結果になっているのでは?

と思いつつ自己防衛のため他責になっているAさんの心理状態を思っておりました。

 

さて問題です。

1.あなたがAさんと同僚だとしたら、あなたはどのように思い、どのように対応しますか?

2.あなたがAさんの上司〇〇さんだとしたら、あなたはどう対応しますか?

3.あなたがAさんを雇用している事業主だとしたら、あなたはどう対応しますか?

 

次回来週日曜までに少し考えていただけると幸いでございます。

  

 

 

 

 

 

 

 

2025-07-13 06:13:00

今夜ダンスに間に合う

またEXPOに行ってまいりました。

今回は海外パビリオン中心に全て予約なしで10か所。

歩行数は2万歩超えながら(前回は3万歩超え)

あまりにも楽しくて、全然疲れが残らず!

(足腰にはちょっときましたが)

どこも素晴らしかったですが、ポルトガルはとても心に刺さりました。

ウズベキスタンパビリオン(ここもよかった!)前の

大屋根リングの下のワゴンカーでミャクミャクアイスモナカが販売されており。

私達が食べていると「どこで売っているんですかっ」と

ささやかにバズッたので僭越ながらご紹介いたします。

 脈々パッケージ.jpg脈々アイス.jpg

抹茶味もありましたが、ミャクミャクの顔色を考慮しバニラ味にしました。

(画像アップする気満々か)

そして是非お勧めしたいのがコロンビアパビリオンのカフェ

(パビリオンに入らなくても買えます)で販売されている

「TasteAtlas」の2025年世界料理ランキングで一位となった

「レチョナ」という豚肉と豆(ひよこ豆だと思う)が入ったピラフのような1品。

レチョナ.jpg

これが!

塩味は感じずでもそれほどスパイシーではなく

優しくでも奥深い!とても美味でした。

コロンビアコーヒーのラテもお薦めです。

チェコの生ビールも!

(ついつい食べ物の話になってしまう私)

 

今回ご一緒したのが私と同い年でありながら、

キャリアコンサルタントの大先輩であり講師としては私の師匠にして尊敬すべき素敵な人。

レチョナを頂きながらコロンビアの国内情勢の話から

色々な話をして

「日本もそうだけど世界的に格差が広がっている」

という話になり、

「今この会場に来られている人たちは間違いなく恵まれている人達なんだよ」

と。

 

会場では色々な人に声をかけられ、私達も声をかけて

どの人もとても万博を楽しんでいて幸せそうでした。

 

勿論どの人もいつも笑っているわけではない。

色々なことを抱えて生きている。

 

でも。。

 

この心境をどう表現したらよいのか悩んでいるうちに

ある歌を思い出しました。

最近までテレビ放映されていた

「続・続・最後から二番目の恋」のエンディング曲です。

 

今夜ダンスには間に合う
散々な日でも ひどい気分でも
今夜ダンスには間に合う
分かり合えなくても 離れ離れでも
今夜ダンスには間に合う
何も持ってなくても
無くしてばかりでも
今夜ダンスには間に合う
諦めなければ

 

そうです、諦めなければ。

 

 

 

2025-07-06 12:40:00

パッキン

 参議院選挙ですね。

 

テレビでは各局で党首討論が活発に行われ、

頑張って各政党の政策を吟味しようと思うのですが、

辛くなりいまだ最後まで見ることができずにいます。

先程もとある政党の共同代表が目の敵にしている政党代表を攻撃している姿に辟易し、

思わずテレビを切ってしまいました。

SNSでは党首討論や街頭演説での発言や態度が取りだたされ、

中傷合戦も繰り広げられ。。

 

惑わされることなくしっかりと見極めて選挙に臨みたいと思います。

政権は、時の権力者はいとも簡単に主権を国民から剥奪できることを

政権によっていとも簡単に戦火に巻き込まれることを

私たちはこの数年で目撃してきましたし、

なによりこの物価高!

なんたって日本の税収のトップは法人税、所得税を抑え消費税だとか。

 

しっかり自分の意志で選んだ候補者に投票しなければと思います。

 

 先日朝駅の階段を登りきったところで、

あとから登ってきた方から

「あのー。。ぽたぽた水が落ちていますよ。水筒か何かの蓋がしまってないんじゃあ。。」

と声を掛けられ。。

慌てて確認すると確かにカバンの中が水害でえらいことになっていました。

あれっ!

しっかり蓋は締まっているのにーっ!

と一瞬何が起こっているのか気づかず頭の中はパニック!

数秒後私は気づきました。

取り外しパッキンを装着した記憶がないことに。

 

パッキンの果たす役割、重要です。

といいますか。

ボトルにかかわらず日本の製品はよく考えられているなあと思います。

どのパーツも必要で無駄がない。

だからといって簡単に駄目になる粗悪品は使っていないので

安心して使えるし価格も手頃。

品質を守りつつコスト削減に努力し続けている企業は

言わずとも評価され、そこで働く皆さんは

誇りをもって働いていらっしゃるに違いない。

 

企業の離職率は令和6年上半期で8.4%(一般労働者6.8%、パート12.6%)で

平成27年度からそれほど大幅な増減はないようです。

 ですが未充足求人数は1,481.5千人、欠員率は2.9%で平成27年の2.1%より上昇しており、

人手不足が続いていることが見て取れます。

 

離職理由の約3割が「会社が緩過ぎる」ことに起因しているようで

「会社が厳しすぎる」もほぼ同じような割合でした。

 「どないせい言うねん!」という声が聞こえてきそうですが、

根っこにあるのは「成長したい」という願望ではないでしょうか。

そして「自分は誰かの役に立っていて必要とされている」

人材であるという承認欲求が満たされないと

「なんのために仕事をしているのか」が見え辛い。

例えばボトル一つにしても

「より軽く

より保温性を保ち

パッキンなしでも密閉性を保つことができて

一円でも安い商品」生み出すことで

炎天下の中、こまめに冷水を補給することができ熱中症予防に役立ち、

売り上げにも貢献し会社の役に立っている

ことが実感できれば

「よーし!明日もよりよいボトルを作るために頑張るぞ!」

と会社に行きたくて仕方なくなるのではと思います。

 

勿論、言うは易く行うは難し。

良い製品を生み出すためには困難な乗り越えなくてはならないことがてんこ盛りなはず。

ですが、あなたは頑張りますよね。

だってそれを乗り越えたら

間違いなくあなたは成長することを知っているから。

 

そのあなたが経験した喜びを是非、後輩に部下にも味あわせてください。

その喜びを知ってもらうためにはどうすればよいのか。

その問いを忘れず同僚や後輩、部下に接しているあなたのまわりには

離職者はいないはずです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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