日記

2023-07-30 16:07:00

平等とは(その2)

前回アメリカで現在起こっているアファーマティブアクションについての問題をお話しましたが、

大学の入学選考における優遇処置については、

日本の医科大学入試においてのジェンダー差別は記憶に新しいと思います。

日本のジェンダーギャップ指数は146ヵ国中125位で、

国や企業は色々な施策を打ち出し、実施しているものの何故この順位なのか。

海外に移住した女性に聴くと「日本に比べると生活は不便になったけれども、生きやすくなった」とおっしゃいます。

数人にお聴きしましたがだいたい同じようなご意見でした。

「なぜ?」とお聴きすると、

「一言で言うと女性としてではなく、人間として見てくれているからのような。」とのこと。

海外に移住したことはありませんが、とてもわかる気がします。

何故私が今ジェンダーのことを持ち出したかというと、

日本においては将来的にはわかりませんが、今アファーマティブアクションの対象となっているのは特に女性であると言えるからです。

1999年に成立した「男女共同参画社会基本法」に基づいた計画では

「社会のあらゆる分野において2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%程度にすること」が目標でしたが、

 2023年現在、紙上の空論にとどまっています。

女性がアファーマティブアクションの対象になっている背景にはいうまでもなくジェンダー格差があるからこそです。

 

私がキャリアコンサルタントとして是非取り組みたかったことが「ジェンダー問題に苦しむ人の支援」だったのですが、

実際にはキャリア形成においてジェンダー問題以外にも様々な構造的な問題が積み重なって、「息がし辛い」人が多いことに今更ながら無力感を感じています。

その根底にあるものの一つが「不平等感」と感じるのですが、

性別や人種や育った環境(国や社会構造)などと言った自分ではどうしようもない「不平等」とは別に

本来は自分の努力でなんとかなった、あるいはなんとかなるであろう「不平等」があり、

そこをはき違えている人に対し、どう支援していこうかと悩む今日この頃です。

 

なんだか漠然とした内容になってしました。

申し訳ありません。

 

先日自治会の会議で「災害が起こった時に自治会に入っている人と入っていない人の区別をつけるのか」という話になり、

「人としていざという時は関係なく助けないといけないのではないか?」

という意見の一方、

「自治会費を払わず、公園の掃除をしたり町内の色々な行事の手伝いをしてこなかった人が同等の扱いを受けるというのは平等とは言えない。災害があった時におにぎりを配ってもらいたいために活動しているところはある。」という意見もあり。

 

 

どう思われますか?

 

実際には災害にあって避難場所で自治会が炊き出しをしていたとして、

目の前に飢えている人が居たら「あんた自治会費払っていないからあげへん!」

とは言えないですよね。

でも残り一個になった時に自治会に入っている人と入っていない人が居たら、

自治会に入っている人に渡すよなあ。

 

この資本主義社会で

何が平等で、何が不平等なのか。

 

今晩眠れなくなりそうです。

 

2023-07-23 22:10:00

平等とは(その1)

今日JR関西空港線ので電車内で3人の方が切りつけられたとの事。

昨日丁度同じ路線の電車に乗っていたのでぞっとしました。

いつ何が起こるかわかりません、ほんまに。

 

 「アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)」をご存知でしょうか。

特定の社会的・経済的グループや少数派(マイノリティ)の人々に対して、過去の差別や不平等を補正するために取られる積極的な政策や措置のことで、

「少数派(マイノリティ)が過去に受けてきた教育などの差別を改善する」措置です。

 

特にアメリカでは、黒人系やヒスパニック系アメリカ人は大学入試や雇用において優遇処置がとられていますが、

この6月末にハーバード大学とノースカロライナ大学の入学選考をめぐる裁判で、連邦最高裁判所が「大学の入学選考において人種を考慮に入れてはならない」としそれぞれのアファーマティブ・アクションを憲法違反だとしたことが大きな議論を巻き起こしていることは日本でもニュースになっていたのでご存知の方もいらっしゃるかと思います。

 

入学選考における裁判の原告は保守派の団体で「黒人やヒスパニック系の受験者を優遇し、アジア系や白人アメリカ人受験者を差別している」と主張し大学を訴えました。ハーバード大学は人種差別を禁止している「公民権法」に違反しているというのです。

今まで何度も人種による入学選考優遇措置については裁判となり、都度「人種を意識した選考は“合法”」とされてきましたが、今回これが覆ったわけです。

 

あなたはどう思われますか?

 

因みにこの判決に携わった判事9名のうち6名は保守派(うち3名はトランプ政権下で任命)で。、だからこそのこの判決といえます。

ここに、大学入学に対する優遇措置として理解されるきっかけとなったジョンソン大統領の演説を紹介します。

「『あなたはもう自由なのだから、好きなところに行けるし、好きなことができる。好きな指導者を選ぶこともできる』と言うだけでは、何世紀にわたって黒人が負ってきた傷を拭い去れるものではない。『これからは他の人と自由に競争ができる』と言うだけでは、何年も鎖に繋がれ、よろよろと歩いてきた人を同じ競争のスタート・ラインに立たせることはできない。このことは、公民権の闘いの次の、さらに重要な段階である。私たちが求めているのは自由だけではなく、機会である。単に法的な平等だけでなく、人間の能力の機会である。権利や理論としての平等だけでなく、事実として、また“結果としての平等”である」

アメリカの大学進学率は現在も、是正されてきているものの白人とアジア系に比べ黒人やヒスパニック系が低く、その背景にあるのが収入格差です。

大卒の平均年収が約700万、高卒では約400万、高卒未満では約300万と言われているので、高等教育を受けていない黒人やヒスパニック系アメリカ人は学費を工面できず子供を大学に行かせることは難しく(教育ローンを組んでも払えず破産する人も多いとか)結果、何代たっても貧困から抜け出せないわけです。

 

 

「平等」とは。

 

 

 

 

 

2023-07-16 22:49:00

昔たこ焼き今ベーカリーなのか!

三連休いかがお過ごしですか?

私は暑くて溶けそうです(ほんま溶けへんかな下腹あたり)

 

自宅の散歩圏内に住居の軒先で細々と開業されている小さなベーカリーが2件ありまして。

いずれも女性のオーナーが一人で切り盛りされていらっしゃいます。

 2件とも本格的なパンで本当に美味しいのにあまりにも安い。

  

先日2件のうち1件にお邪魔し、

「枝豆としらすのオープンサンド」(120円だったか)のビジュアルに

「なんて美味しそうな!」というと

「これは地元の○○さんの枝豆でシラスは。。」と一つ一つのパンのこだわりが半端なく。

それにしても120円て。

「あまりにも商売気無さすぎです!」

と思わず叫んでしまった私。

「あ、いえ。ご近所の皆さんが喜んでもらえたらそれで良いんですよ」

ととてもよい笑顔でほほ笑むオーナー。

 

「きゃーっ」とても幸せな気持ちでついつい買いすぎたことは言うまでもありませんっ!

「あ、この明太子フランス、他より小さいから60円でええですわ!」てあなた。。 

 

 ほくほくと店を後にして、家路を急ぎながらどんどん冷静になっていく頭でよくよく考えてみると

私がもしオーナーの立場でも、同じような価格設定にしたよな。

と。

 

例えばコーヒー、

今やマクドで100円でまずまずのコーヒーが飲めるのに

ホテルのラウンジでは1000円位しますよね?

 

 

ホテルで何かの行事に参加した後、

「コーヒーでも飲んで一息ついてから帰ろう!」

と気軽にラウンジに行ってコーヒーを頼もうとメニューを見て

「うおおおおっつ」と思いつつも後には引けなくなった日本人のなんと多いことか(私見です)。

 

でもね、この1000円。

ようやく最近私納得できるようになりました。

ホテルの空間を含めた洗練されたサービスを受けながら、つかの間贅沢な時間を過ごすためには相応なんですよね。

 

住宅街の小さな軒先で、趣味が高じて始めたパン屋。

「美味しいのよ、私のパン。

でもそのことを誰も知らないから

まずは美味しいのだと知ってもらいたい。

実績がないから裏打ちされた信用もない。」

となると、低い価格設定で勝負するかなあ。

 

でもね、「私の作るパンは世界一美味しいし、材料も吟味しているのだからこの位の価格設定で行こう」

と高い価格設定から始める人もいますよね。

 

その人にとっての適正価格、需要と供給それぞれの背景があって面白いなあと

枝豆シラストーストを食べながら思いました。

 

私の小さなころは自宅の軒先で大阪のおばちゃんが始めるお店というと、

「たこ焼き屋」さんが定番だったのに、今や「ベーカリー」。

こじゃれた街になったもんや。

 

2023-07-09 22:50:00

ありがとうございます。

1週間のご無沙汰でした。玉置宏です(違います)。

(このフレーズで懐かしいと思われている貴方、同世代ですね)

このHPの来訪者が延べ1万人を超えましたっ

ありがとうございます!

こんな拙いページにお付き合いくださり、

感謝感謝でございます。

 

 日記を始めた時に、

「来訪カウントが延べ1万人になるまで週に1回は更新する」というささやかな目標を作りました。

なんとか達成できて密かに喜んでおります!

実は小さなころから、私は「コツコツ何かを継続する」

という事が苦手ですぐに飽きてしまい、

習字やピアノやそろばん(その頃のはやり習い事ベスト3です。懐かしいっ)、習い事という習い事はなったく続かずで、

幼心に「これじゃ私、ろくな大人にならんのではなかろうか。頑張らなきゃっ。」

と思いながらも、目の前にある楽しい出来事の魅力に抗えず、

優先順位がどんどん下がっていきやがてやめてしまう

という感じでしたでしょうか。。

 

ですがある時から、「コツコツ何かを継続する」ことが私にとってとても重要なことになりました。

 

それは早逝したある先輩の姿を目の当たりにしてきたことが大きいのだと

今振り返ると思います。

 

その方は有名女子大卒業後銀行に就職されていたものの、

研究者の道に進むためすぱっと銀行をお辞めになり

大学院から私の通っていた大学に入学され、

私が3回生になり卒業論文のためとある研究室のお世話になった時に助手としていらした方です。

 

毎日夜遅くまで研究室でご自身の研究に没頭されていらっしゃいました。

どんな人にも平等に笑顔で接して下さるので、

毎日の実験は研究室に何度か泊まるようなハードなものでしたが

学ぶことが多く充実した日々でした。

 

怠け者でなんとか楽に生きたいと思っていた私は

毎日精いっぱいご自分の出来る限りを尽くし研究に没頭されているその先輩の凛とした姿に「私もこんな方になりたい」と憧れ、

少しずつ変わっていったような気がします。

 

大学を卒業して数年たったころでしたか。

就職後疎遠になっていましたが、突然その先輩から「最近どう?」とお電話をいただきました。

その頃の私は日々仕事に忙殺されており、その時は転寝をしていて電話の音で目が覚め、

寝ぼけてきちんとした会話が出来なかったことを覚えています。

 

それから間もなく(ご病気で)他界されたので、最後の挨拶をされるためにお電話くださったのだと後でわかり、

ただただ後悔しました。今も後悔しております。

 

短い研究者生活の中で何本も論文をお書きになり、それは今もしっかり残っていて

幸運にも近くで彼女の生き様を見ることが出来た私の心の中に

今も白衣をきている彼女が居ます。

 

「毎日諦めずに続けたら、きっとええことあるで、ゆかさん」

そう言ってくれた彼女に恥しくないよう、

愚直にコツコツ頑張ろうと思うのです。

 

これからもお付き合いいただければ

とても嬉しいです。

宜しくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

2023-07-02 13:30:00

あなたのためなのか?

あ、暑い。。

お元気でお過ごしですか?

 

最近若者と話す機会が多く、彼らの親御さん(あ、いや、祖父母世代?)と同世代の私は色々考えさせられることが多いです。

 

人生、これが正解だ!はなく子育てにも正解はない。

でも以前書きましたが、

この世界は誰かにとっては辛く、誰かにとっては素晴らしく美しいと言う。

でもその世界は誰でもない、あなた自身が作っていくんだよ」

 とお子さんやお孫さんに正しく伝えることが出来たら、そのお子さんやお孫さんはどんなに豊かな人生を送れるのかと思います。

「自分で考え、自分で選択し、自分で道を切り開いていく」ことは難しいことだけれども

雨風に打たれながらも、嵐にあっても、自分の進みたい道なら頑張って進もうと思いますもん。

 

キャリアオフィス YBTYのYBTYは

You Belong to you.で、「あなたの人生はあなたのもの」。

これには色々な思いが込められていて

貴方の人生は貴方が築いていくものだから、あなた自身が切り開くしかない。

誰も貴方の代わりにはなれない。

という思いもあります。

 

ある有名私立高校に通うお嬢さんがいらっしゃるお父さんの話を聴く機会があったのですが

彼の悩みごとは「娘と上手くいっていない」ということでした。

お嬢さんはとても頭の良い人で、医学部を目指すコースに在学されているとのことで、

もし彼女が医者になったら、親戚中から始めて医者が誕生することとなり、

皆がとても期待しているとのことでした。

でも、彼女自身は文学が好きで、そちらのほうに進みたいとずっと言い続けているそうで、

進路をめぐって毎日のように喧嘩をしているというのです。

 

「このあいだはとうとう手が出てしまった」と涙ながらにおっしゃるのです。

「娘にとって医者になることが一番の幸せなのに気づいていない」

「だから今私はどんなに憎まれてもいいから正しい道にすすませる」

「辛いけれども、娘のためだ。」

といって泣かれるのです。

(数年前の話で、カウンセリングでもなかったので書かせていただいております。)

 

いやあ、絵にかいたような親ハラ。

 

親のこうした価値観の押しつけは、子供が抵抗し難い分最強のハラスメントですやん。

勿論苦労して育てた大切なお嬢さん。

お気持ちはわからんでもない。

でもお父さん、それお嬢さんの為?

親戚や世間に自慢できるお父さん自身の見栄のためではなく?

 医者が最高の職業だと思っているのは誰?

それきりそのお父さんとはお会いしておりませんので、お嬢さんのその後はわかりませんが、

ご自分の進みたい道に進んでおられるますよう、祈ってやみません。

 

「あなたのためを思って言ってあげてるんやで。」

 

子育てに限らず、新入社員に接する時にこの言葉を口にすることはありませんか?

あるいは言葉に出さなくとも態度にでていませんか?

 

今私は自分の価値観を押し付けていないか。

子供や後輩や部下が自分で考え選択する機会を奪っていないか。

常に自分に問いかけながら接する事が人を育てる上でとても重要な事だと、最近とても思います。

 

手遅れになる前に。

 

(自分自身の戒めも込めて書いております)