日記

2023-11-19 22:30:00

伝わるもの

母の命日には毎年高野山参りをしますので、今年も行って参りました。

トップページのスライドショー最初の数枚を高野山の写真にしました。

最初の2枚は奥の院、

次の2枚は霊宝館近辺の写真です。

紅葉が終わりかけでしたが、

冬の訪れを感じる高野山はとても空気が澄んでいて、とてもよい時期でした。

 

開業したときに「どんな屋号にしようか?」

考えた時にふと頭に浮かんだのが「I blong to me.」という言葉でした。

これは実はミュージカル「エリザベート」の中の1つの楽曲の題名です。

日本では和訳されて「私だけに」という題名がつき、英語圏では「I blong to me.」となります。

 

私がこの曲に出会ったのは同僚が貸してくれた宝塚歌劇雪組公演「エリザベート」のビデオで

今やミュージカル界の大スター花総まりさん扮するエリザベートが

ハプスブルク家に嫁ぎオーストリア王妃となり

今までのように自由に生きられなくなった事を身をもって知ったときに

この「私だけに」を歌い上げるのですが、

「たとえ王家に嫁いだ身でも

命だけは預けはしない

私が命委ねる それは 私だけに 私に」と歌い上げたときに

熱い感情がこみ上げてきて号泣してしまったのでした。

 

英語の歌詞ではこの部分は

I'm here when you need me.
I live and I die with you.
I'll share all your troubles.
I'll laugh and I'll cry with you.
You can blame me and bless me.
But you cannot possess me.
'Cause I belong to me.
To me.
あなたが必要とするとき、わたしはここにいましょう。
あなたと共に生き、そして死にましょう。
あなたが抱えている問題を分かちあいましょう。
あなたと共に笑い、そして泣きましょう。
わたしをとがめたっていい。あがめたっていい。
でもあなたは私を所有することはできない。
わたしはわたしのものだから。
わたしの。

となり、あとでこの歌詞を知りより深く私の心に沁みたのでした。

 

この雪組公演は世界のいたるところで上演されている「エリザベート」が

初めて日本のキャスト、演出で上演されたもので

初演に対するプレッシャーは相当のものだったようでしたが、

初演を観た友達の話によると

上演後あまりの感動で「拍手が鳴りやまなかった」そうで、

宝塚歌劇で何度も再演されているものの

未だに「初演は超えられない」と今では伝説になってしまいました。

 

それから何度となく宝塚大劇場に通い、

束の間現実の世界から離れ、美しい夢の世界へ誘っていただきました。

 

特に初舞台生のラインダンスは

 親戚でも家族でもないのに泣けてくるのでした。

疲れた心と体に沁みるのです。

 

舞台を見終わった後、

「ああ、明日も頑張ろうっ!」と何度と思ったことか。

宝塚は荒んだ私の心を何度となく癒してくれました。

 

この感動的な舞台を見せるために

どれだけの練習を重ね、努力しているのかと思います。

 

 

 最近の宝塚歌劇団の報道にふれる度、

 胸が痛みます。

 

 実際に劇団の中で何が起こっていたのか

無責任な想像で語ることはできません。

 

これから先は長らく組織の一員として働いていたものとして

今感じていることを書きます。

 

組織の一員として「世間」の期待を裏切らないよう「見せる」姿

「見せる」姿を保つために、「見せる」姿になるために

努力は必要だし、

 乗り越えないと見えない世界もある。

 

ですが、その「見せないといけない姿」のために

「私が頑張るしかない」

「私が頑張らないとまわりに迷惑がかかる」

と無理を重ねてしまう

何もかも自分で引き受けてしまう社員に「甘え」

「好意の搾取」をしていることが

当たり前すぎて気づきもしない組織は

「事が起こらない」とどれだけ今の組織が危うい状況にあるのか気づかない。

「事が起こってしまった」時にはもう遅いのに。