日記
夢見る頃を過ぎても
とある会社の新人研修を実施し、演習問題をいくつか宿題にしたのですが、
先日演習問題未提出の新人に「演習問題やけどさ」と声をかけたら、
「え?円周率?」
と返ってきて、
「なんで3.14て答えてもらわなあかんねん!」
とつい叫んでしまった私。
そして「え?円周率って3.14やったかな。3.16違うよな。」
と心の中で慌ててこっそりスマホで検索した私。
..。
頑張れ、私。
それにしても、円周率。遠くなったなあ。
円周率が身近にあった頃、自分が何者でもなかった頃。
その頃に好きな事ややりたい事を見つけることが出来たら
なんて幸せな事かと思いますが、
例えば野球が好きでプロ野球選手を目指し
野球部に入って一生懸命練習するものの
まわりには上手い人がいっぱいいて
「自分はどう頑張ってもプロ野球選手になれない」
と思った時。
「でも野球好きだから自分なりに頑張って野球を楽しもう。」
と思っても
「そんなに頑張っても素質ないのになんで頑張るねん。
それより勉強頑張っていい大学に入ったほうがあんたのためやで。」
と言われ続けたら。
「親が喜ぶから」
野球を諦め塾に通い、頑張って「いい大学」に入って「いい会社」に入って
いつも間にか「野球選手になりたかった」自分は日々の生活に追われて
遠い彼方にいってしまい、いつのまにか忘れてしまうかも知れません。
ですが、仕事に疲れてへとへとになって家路に急ぐ帰り道に
1人一心不乱に素振りをしている少年を見かけたら
その頃の自分が蘇り、懐かしいような、切ないような何とも言えない気持ちになるのではないでしょうか。
私達には忘れている経験はいっぱいあり。
そのことも含め全ての経験が今を作っている。
私達は何物にも代え難い宝物のような経験を沢山してきたけれども
ただただ日々の出来事に追われて忘れているだけ。
だからふとした時に思い出して
「あのきつい練習を耐えてきたから今頑張れているんだ」
と思えたら
人生まんざらでもない。
歳を重ねるということは
そういうことで。
だから明日も生きていたいと思います。