日記
衣替え
衣替えの季節ですね。
私が学生だった頃は、
「6月1日から夏服、10月1日から冬服」と決まっていましたが
全国一律に切り替える運用は、徐々に減ってきているようです。
最近は
「冬夏併用期間」を長く設けたり
気温に応じて自由選択したり
衣替え自体を廃止する学校が増えているのだとか。
「気候に合わせて各自調整してください」という形で生徒の判断に任せている学校も増えているようですね。
勿論、5月でも真夏日があったりと最近の気候変動が背景の一つだと思いますが、
多様性の対応が大きいのではと思います。
「規律としての衣替え」から
「健康や生徒の主体性、多様性を重視した服装運用」
へ価値観が移っていることは
今やどんなに暑くても寒くても
「決まりだから我慢している」が成立していた時代ではなく
安全面や多様性に配慮する時代へと変容していて
こうやって社会は成熟していくのだなあと思います。
さて、虎屋に「更衣」という和菓子があるのをご存じでしょうか?
毎年5月30日から6月1日までの3日間のみ販売される和菓子で
餡に米粉を混ぜて蒸し上げ和三盆を練りこみ、
表面にも和三盆をまぶしただけのシンプルなものですが、
昔の宮中や武家社会では、衣替えはかなり重要な年中行事で
平安時代には衣を改める「更衣の儀」という宮中行事があったとか。
「更衣」は 派手さはないものの
“季節が変わる空気そのものを食べる”
"季節の境目を一瞬だけ味わう”お菓子なんですね。
和菓子は「季節を閉じ込める文化」と言われますが、
更衣はその象徴みたいなお菓子だと思います。
和菓子には
「知っている人だけが季節を受け取れる」
ような、静かな粋がありますね。
虎屋のような老舗は単に「甘いもの」を売っているというより
日本が大切にしてきた
年中行事や自然や古典文学や
季節の空気を菓子に封じ込めていて
「写真映え」やインパクトではなく
「今しかない空気」を閉じ込めるところがなんとも良き。
「更衣」が3日しか売られないのも、
「季節の境目を逃さない」
という繊細な日本人の感覚を大切にしていて
食べたら消えてしまうというところも
まさに「一瞬を大切にして味わう文化」そのもの。
安全性や多様性を重んじ全国一律の衣替えを廃止することも
日本人が大切にしてきた
「年中行事や自然や古典文学、季節の空気」を
思い出せてくれる和菓子の文化を継承してくことも
どちらも私達には必要なこと。
この文化を途絶えさせないよう
さて、和菓子を買いに行きましょうか。
今の季節は錦玉羹!
水ようかんもいいですね!
