日記
2026-03-15 10:20:00
鬼が来る
若い頃筒井康隆の小説が好きでよく読んでいましたが
折に触れ、時々思い出します。
今「死にかた」という小説を思い出しています。
ある日突然とあるオフィスに金棒をもった鬼が
次々と人を殺していくという話で
何が怖いかというと、鬼に感情がないのです。
ターゲットになった人達は様々な反応をします。
冗談だと思って無視する人
鬼を非難して正義を語る人
茶化してごまかそうとする人
逃げようとする人
色仕掛けで命乞いする人
面白がって見ている人
鬼に殺されるくらいならと自殺する人
自分を後回しにしてくれと頼む人
ですが、 鬼は
怒っていない
憎んでもいない
理由を言わない
誰を選ぶわけでもない
ただ 順番に殺していくだけです。
そこに存在するのは
人間の感情から切り離された暴力です。
今私が思い出したのは
中東等で起こっている戦争では
個人的な憎しみとは関係なく
命令によって
人が死んでいく
その「人間の感情から切り離された感じ」が、この鬼と重なるからだと思います。
そしてこの小説の舞台は特別な場所ではなく
普通のオフィスであることがとても怖い。
普通の日常
普通の仕事
普通の人たち
の中に、突然「鬼=死」が入ってきます。
日常が突然壊されるわけです。
悲しいことに世界は理由なく人を殺すことがあります。
鬼が淡々としているからこそ、私達は考えないといけない。
もし自分がその部屋にいたら
どう生きようとするのか。
この鬼には
-
交渉も通じない
-
理屈も通じない
-
お金も通じない
つまり 人間の社会のルールが一切効きません。
ですが、戦争は天災ではなく人災。
この鬼のように
「人間がどう頑張っても止められないもの」
ではないはず。
どうか世界の指導者達が
鬼ではなく人でありますように。
そう祈るしかないのかも知れません。
