日記
頑張りすぎる人(その2)なぜ特定の人だけに負荷が集中するのか
前回最後に「頑張りすぎる人は報われにくい」で終わりましたが、
紐解いていくと「なぜ特定の人だけに負荷が集中するのか」
が見えてくるので少々お付き合いください。
また前回「条件付きの付加価値」の話をしましたが
人の努力は「特定の条件が揃わないと価値として見えない」もの。
例えば
いつも周囲をフォローしてトラブルを未然に防ぐ人は
問題に起きないように頑張るので
「問題が起きなかった」状態だけが見えるので
その人が不在が故に
トラブルが発生したときだけにその人の価値がやっと見える。
あるいは逆に目に見えて頑張って成果を出し続ける人に対し
周囲はこう思うようになります。
「あの人ならやってくれる」
「あの人ならこれくらいは簡単でしょ」
「頼りにしてる(=無償で追加負担を求める)」
頑張りが“当たり前”になり、本人の努力が「見えない価値」となります。
そうなると
周囲には価値が見えない → 評価されない
頑張っているのに報われない → さらに頑張る
となり、条件付き付加価値に依存した組織構造が固定化し
悪循環が発生し
「仕事をやった人がさらに仕事を任される」
となるわけです。
属人化(特定の業務やノウハウが特定の個人に依存している状態)色の濃い組織では
それが日常ではないでしょうか。
頑張り過ぎる人は、「頼まれた=やるべき」と思いがちですが、
それこそが「条件付き付加価値の罠」です。
頑張りすぎる人はどうすればよいのか?
まずは「責任の境界線」を明確にすることが大事だと思います。
自分がいっぱいいっぱいな時に
なにか頼まれ事をされたとしましょう。
その頼まれ事は自分のやるべきことではなく
本来他の人がやるべきことなんじゃないか
とあなたは思っていたとします。
あなたはその人に嫌われたくないから「断れない」
自分が断ることによって迷惑を掛けたくない
断ると自分の評価が下がるのが怖い
人に任せるのが不安
のだとしたら
無意識に「越境」していることに気づくことが
重要です。
まずは自分自身の責任の範囲を整理するために
これは本来誰の仕事なのか?
その判断をする権限は誰にあるのか?
を考え
もし引き受けた場合の
メリットデメリットを冷静に考えることが
相手にとっても自分にとっても大切なのだと思います。
相手の責任は相手にある
私の選択の責任は私が持つ
相手の期待に全て答える義務はない
自分の限界を伝えることは失礼ではない
もしあなたが「頑張りすぎる」「抱え込みやすい」傾向があるのだとしたら
「できるからやる」ではなく
「自分がやらなくても物事は回る」という感覚を育てることが
大切なのだと思います。
