日記

2025-09-21 11:30:00

砂をかむような日々

6月に仕込んだ梅酒が飲み頃になりました。

わーい!

梅酒1.jpg梅酒2.jpg

仕込んだ直後ほんと綺麗でぴかぴかですが

6か月後熟成された梅酒、琥珀色でこれまたいい味だしています。

まるで人生のようだ。

 

親しい人にお裾分けしようかどうか悩んでいます。

口に入る自家製のものをお持ちするのはなかなか勇気がいるものです。

 

認知症予防対策のひとつに回想法があり、

自分の過去を回想して話すことで精神を安定させ認知機能の改善が期待できる

というものですがこの回想支援をしたときに

小さかった頃の思い出や

学生時代、若かりし頃の思い出は活き活きと目を輝かせてお話になるのですが、

支援後アンケートを頂いたときに

一言

「あの頃はあんなに楽しかったのに今は勤め先と家との往復だけで砂をかむような日々です」

と添えられていらっしゃる方がいてうっと胸が詰まりました。

 

私もつい最近までそうだったなあ。

 

今でも時々生きていくうえで「やらないといけないこと」が多すぎて

「やりたいこと」がなかなかできずうううっ!と声をあげたくなることがありますが、

勤め人の頃特に終盤は「やらないといけないこと」が消化できず、

いつしか自分の「やりたいこと」が何だったのか思い出せなくなっていました。

 

私の「やりたいこと」は何だったのか。

今「やりたいこと」は何なのか。

 

そして今までやりたいと思ってやってきたことは

本当に自分のやりたいことだったのか。

 

そう考えたときに

自分が「やりたいこと」は

まわりの価値観

例えば親やまわりの大人達や友達が

「いい」と言っていることを投影してきただけではないかと

「人の目を気にしながらの」やりたいことだったのではないかと

ふつふつと自問自答しだし

なんとももったいない人生を送ってきたなあと思います。

 

この私という人生は一度きりなのに。

 

だからこの「砂をかむような日々です」書いてこられた方に

返す言葉が見つからず

「回想支援」を発案された方に助けを求めたところ

「今はそのような日々を送っておられても、

毎日そうやって懸命に頑張っている今は

後から振り返った時に「あの頃があったから今の自分があるんだ」

という日がきっと来ます」

との返事をいただき私自身が救われたように思いました。

 

 

振り返ると「やりたいこと」を見失いながらも

懸命に生きていた日々の中で培ってきたことが

今の得体のしれない自信の源なのかもしれません。

 

全ての経験は全て自分の中にある。

 

琥珀色の梅酒を眺めながら

思います。