日記
おはぎとぼた餅
早いものでお彼岸ですね。
お彼岸になると仙太郎の「ぼた餅」を求めて店頭に並んできた私。
仙太郎の「ぼた餅」は青じそが入っていて
なんとも美味しく私の大好物だったのでございます。
ただ春も秋も「ぼた餅」として販売していたので、
「きっと老舗の和菓子屋さんらしい拘りがあるに違いない」
と思いつつも不思議に思っていたのですが、
なんとここ数年は「おはぎ」として
「ぼた餅」より小ぶりになって販売されているのでございます。
勿論「おはぎ」も大好物で、
今年も並んで美味しい「おはぎ」を頂きましたとも!
でもなんで「おはぎ」になったの??
調べました。
私はおはぎとぼた餅は同じもので
春のお彼岸は春に咲く「牡丹」の花から「牡丹餅」
秋のお彼岸は秋に咲く「萩」の花から「御萩」 と呼ばれると思っていたのですが、
それだけではなく、また地域によって色々な由来があることがわかり、
おはぎ一つとっても色々な思いが込められていて、
私達の先達はなんて豊かに暮らしてきたのだと思います。
まず「牡丹餅」
春のお彼岸の頃に咲く花の形が似ているからというだけでなく
魔除けや病除けによく使われる色である、赤い花弁を持ったものが多く、
魔除けや厄除けの効果をあやかれるようにということでもあるのだとか。
そして「御萩」
秋のお彼岸の頃咲く萩の花が小豆と似ているからということと
生薬として使われていた萩の花の効能である魔除けや病除けといった効能にあやかれるようということでもあったとか。
また、大抵はぼた餅はこしあん、おはぎはつぶあんを使うらしく
これもしっかり理由がありました。
小豆は秋に収穫されるので、乾燥させて年中あるものの旬は秋なので、
秋に頂く「おはぎ」は
採れたばかりの柔らかく薫り高い小豆を使うことが出来るので、
小豆の香りや食感を楽しめるつぶあんが使われることが多く
春は冬の間保管され、すっかり乾燥して皮が固くなった小豆を使うことになるため、
固い皮を取り除いて作られるこしあんが基本になったといわれているそうで。
そうだったのか..。
形や米の品種でおはぎとぼた餅を区別する地域もあるそうで、
ぼた餅は牡丹の花のように大きめで丸型、おはぎは萩の花のように小ぶりで俵型と区別したり
もち米で作ったものをぼた餅、うるち米で作ったものをおはぎと区別する地域もあったり
通年同じ呼び方をする地域もあるのだとか。
最近は季節の関係なく「おはぎ」という名前で販売しているお店が多いですよね。
で、仙太郎の「おはぎ」
なんでも「ぼた餅」に使われる「丹波大納言小豆」の生産農家が大幅に減った上に数年にわたる不作で
令和元年の7月から大きいことで有名だった「ぼた餅」(120g)から今の小ぶりの「おはぎ」(80g)になり、
値段は240円から180円(税抜き)に改定されたとのこと。
小さくせざるを得ない事情があり、
実際に小さくしたぼた餅を見て
「これはもう仙太郎のぼた餅と違う!」
となったのかな?(知らんけど)
180円?!
私が今年買ったおはぎの値段は税込238円。
ということは税抜220円!
こんなに値上げしていたことに驚きながらこの文章を書いております。
こんなことならもっと味わってゆっくり食べたら良かった..。
(て購入する前に値段見て気づけ私)
4月1日から紙袋も有料になるらしく..。
「ぼた餅」「おはぎ」のために、
仙太郎は自前の小豆、もち米の畑つくりに取り組んでいるようで
和菓子の過程で生じる「小豆滓、澱粉の残り滓」を干して肥料にして
「土に戻す」のだとか。
そういう真摯な取り組みが透けて見える「おはぎ」
また今年の秋も来年も再来年もこりゃ並ぶよな、私。
「おはぎ」に限らず、「和菓子」に限らず、
人が作りだしてきた全てのものには物語があり、
その物語を知ることはとても大事なのだと思います。
人も同じで、全ての人には物語があり、
その物語を知ることはとても大事なのだと思います。