日記
乾く前のセメントに落とされるもの
今日公園の前を通ったら、小学生低学年と少年たち数人が遊んでいて、
そのうちの一人が一人の少年に向かって
「〇〇がおらんとおもしろないわ!」
と嬉しそうに話している場面に偶然遭遇しました。
〇〇君と思われる少年はそれを聞いて嬉しそうににっこり。
どんな状況だったのかはわかりませんが、
久しぶりに一緒に遊んだのかな?
「〇〇がおらんとおもしろないわ!」と言える少年、
良い育ち方をしているなあと思います。
私の愛読書でドラマ化された「ミステリと言う勿れ」の主人公久能整君の名台詞
「子供って乾く前のセメントみたいなものなんですって。
落としたものの形がそのまま跡になって残るんですよ」
をふと思い出しました。
「〇〇がおらんとおもしろないわ!」と言われた少年は、
自分の居場所がちゃんとあることを刻みましたね、きっと。
今回の韓国非常戒厳令から解除までの市民の動きで
韓国がかつては軍事独裁国家で、民主化宣言がなされたのは1987年。
つい最近のことだったことを忘れていたことに驚きます。
発令後国会前にどんどん市民が集まり「戒厳令を解除せよ」と叫ぶ姿に
「民主主義は自分達で守る」という確固たる意志に私は心震える思いでした。
非常戒厳令で軍が軍の兵士が国会に入ろうとした際、
市民は鎖になって銃を持っている兵士達の前に立ち塞がり阻んだと言います。
まさに命がけです。
1980年の光州事件のように市民や学生が多くの犠牲を出しながらも民主化のために戦ってきた歴史を見てきた国民一人一人に
「自分たちが人権や民主主義を守らなくて誰が守るのか」という強い意思が根づいているということに
冷水を浴びせられたような思いがします。
国会に向かう親や家族、大人達の背中を見て韓国の子供達は何を思い、
乾く前のセメントにどんなものが落とされ、どんな形になるのか。
これからの韓国の未来で証明されるのだと思います。
そして私達大人の生き様を見て
日本の子供達は何を思い、
乾く前のセメントにどんなものが落とされ、どんな形になるのか。
これからの日本の未来のために、
私達は私達の信じる正義を全うするしかないのではないかと思います。
子供達のセメントに修復できない歪な形の傷をつけないために。