日記

2024-07-07 18:13:00

日本人の良いところ

先日、とあるお店の責任者と話していたら

「最近日本人の良いところがなくなっていくような気がします」

とおっしゃる。

その方はオーナーではなく、

数多くのお店のうちの大店2店舗を任されているのですが、

「何か問題が起こったら、幹部を集めてミーティングをするのですが、

営業時間中は難しくてどうしても営業終了後になるのですが、

一部の幹部から「その時間がもったいない」と言われます」

と。

「「店をよくするためには必要な事だと思うし、店をよくすることは貴方の幸せにつながるんだよ」と話しても

人によって受け止め方は様々で、

「なんでそんな受けとめ方するの?」と驚くことがあります。」

と。

「所謂「タイパが悪い」いうやつですね?」と私。

「そうなんですよ!「タイパが悪い」いうんです!そんな事をいうお前の時給いくらやねん!思いますわ!」

「みんなの時給あげるためには店を良くしていかなあかんねん!」と。

 

この話「最近よく電車が遅延する」という話がきっかけとなったのですが、

「「電車は遅延することもあるから、それを見込んで早く家を出る」ということを考えない従業員が増えた」という話になり、

「「私は定時に着くように家を出ているのに遅れたのは電車が遅延したせいなので仕方がない」言う事なんでしょうね」と。

「今は「電車は遅延することもあるから、それを見込んで早く家を出るもんやろう!」なんて言えませんものね」と私。

 

「特に新人の頃は、仕事を早く憶えたくて、誰よりも早く出勤したもんですけどね」と遠い目の店長。

「最近日本人の良いところがなくなっていくような気がします」はこの後に出た言葉でした。

 

勿論、この話は店長の現状の捉え方であって、「タイパが悪い」「定時ぎりぎりに出勤する」従業員の話を聴くと、

また違った捉え方を聴くことになると思います。

「事実はひとーつ!」ですが、「真実はひとーつ!!」ではなく捉え方によって様々です。

ですが、私も最近店長と同じように感じる場面に遭遇することが多く、

なんだかもやもやする日々を送っておりました。

 

昨日テレビを見ていたら、従業員が78歳~88歳のおばあちゃん中心の「おばあちゃんビジネス」の現場にスタンフォード大学の教授が訪れているところが取材されており、ご覧になった方もいらっしゃったかと思います。

その会話の中でそのものずばりの英訳がなく通訳が難しかった言葉が二つあり。

それは「生きがい」と「ピンピンコロリ」。

輝くような笑顔で「人の役に立っていること、誰かに必要とされること」が「生きがい」で、

生涯働いて「ピンピンコロリ」が理想とおっしゃる。

この会社は「うきはの宝」という会社で手作りの「蜜な干し芋」は県知事受賞し、

他にも「ばあちゃん新聞」や「ばあちゃん飯」など、

ばあちゃんの知恵がいっぱい詰まった事業を展開しており、

そこにはばあちゃんたちの「働く喜び」が溢れています。

 

「生きがい」と「ピンピンコロリ」。

おばあちゃんたちの笑顔は

店長との会話を引きずっていた私の心を軽くしてくださって、

「日本人の良いところ」の原点に触れたような気がします。