日記
言葉の中に隠れているもの
先日大阪城公園近くで用事があったので
散歩がてら公園内を歩いてきました!
9時30分頃でしたが、海外からの観光客多し。
新緑が綺麗でした。
前回発達障害のセミナーの話の中で多様性について少し書きましたが、
多様性を理解し、自分とは異なった特性を持つ人と共存していくために
まず何をすればいいか?
を考えると
やはりその人の「話を聴く」事に尽きるなあとそのセミナーでも学びました。
転職に悩む若者と話をした時のことです。
高校時代にやんちゃをして退学になり、
別の高校に再入学したので一年だぶって、
やっと高校を卒業して、就職できたけれども
会社を辞めたいとのこと。
入社して、わずか2カ月後の事です。
何故なのか?
色々話していくと
「会社の人達とは人種が違う」と言います。
終日デスクワークの仕事に就いたのですが、
周囲の同僚に対し
「なんであんなに偉そうやねん」と
座っているだけで「腹が立って」
気持ちを落ち着かせるためにトイレに籠ってしまう
と言います。
これだけ聞くと、
「なんて幼く堪え性のない子なんだろう。」と思うかもしれません。
私はそう思いました。
ですが、話をしていくうち、
彼の印象がどんどん変わっていきました。
「ええ子」(良い子)なんです。
幼いときはまわりの大人たちが見えず、
どれほど自分は愛情を注がれてきたのか分からず、
高校を退学になった時に、
どんなときにも味方でいてくれるお母さんに気づいたときに
「このままではあかん」と思い、
別の高校に入学して、年下達にタメ口を叩かれながらも
いい仲間を作っていくことができた。
と、まっすぐな眼で一生懸命話してくれます。
彼はちゃんと愛を知っている子なんです。
高校を卒業したとき、「おじいちゃんが泣いて喜んでくれて」
就職して卒業した高校にスーツ姿で訪ねたら
先生が「とても喜んでくれて」
だから、なんとか続けたいのだけれども、
「毎日がとてもしんどい」のだと言います。
学生から社会人になる。
全く違う世界ですから、そりゃしんどい。
社会人になりたてだから、慣れないこともいっぱいあり、
新しい環境に適応するのは誰だってしんどい。
でも辛いことから逃げずに日々悪戦苦闘していく中で
経験を重ねていく中で
「働く」ということがどういうことなのか、
「自立する」とはどういうことなのか、
「お給料をもらう」とはどういうことなのか、
学び、知っていくことになり、
いつか会社になくてはならない存在になるのだと思うのだけれども
これは私の経験から得た価値観から出た考えで
この考えを頭ごなしに押し付けてしまいがちになる自分を意識しながら
彼と向き合っていました。
「会社の人達とは人種が違う」と彼は何故言うのか?
「何故腹が立つのか?」を丁寧に聴いていくと
その言葉に隠れている、
環境に馴染めない彼の焦りや不安や
ただ指示ばかりして自分を見てくれていない(と彼は思っている)上司や同僚に対しての寂しい気持ちが見えてきました。
そして「「高校を一度退学になった」ことで周りが自分に偏見を持ち、正当に評価されていない」
と「高校を一度退学になった」ことが彼の負い目になっていることが、その言葉の背景にあることもわかってきました。
「でも君の履歴書を見た上で採用されているんやで!面接で今の君を見て採用されているんやで!」
と言ったとたん、ポロポロ泣きだし。彼の中で何かが変わった瞬間でした。
それから積極的に周りの同僚と話すようになり「楽になってきた」と話してくれるようになりました。
「「受け入れてもらえる」かどうかとても不安で、怖かったんだと思う」と今は元気に働いている彼から後で聞いた言葉です。
もし「あいつのことがわからん!」「あいつが仕事を辞めそうで怖い!」と悩んでいたら、
是非、話をするのではなく話を聴くことから始めて頂ければと思います。