日記

2024-06-09 20:00:00

心のバリアフリー

先週日曜、発達障害関連のセミナーを受けておりまして、

いくつかのケース検討がありました。

どの事例も「こんな人いるよなあ」というもので、

発達障害の特性は強弱はあるものの、

誰の中にもあるものだと思いました。

 

だからこそわかりづらいし、

もし自分が「障害がある」と診断されたとしたら、

認めたくないし、ましてや公表するとなると、かなり勇気がいるよなあ。

と思います。

 

障害に限らず、自分が「できないこと」を認めることはかなりしんどい。

 

例えば「聞いて理解する」ことが難しいAさんがいたとします。

 

職場でAさんの上司が口頭で仕事の指示をしたとします。

Aさんは仕事の内容について質問するでもなく

「わかりました!」と仕事にとりかかるものの

何をやればよいかわからないのか、考え込み仕事が進まない。

あるいは間違った内容の仕事を一生懸命する。

なんてことがあった場合、

貴方がAさんの上司だとしたらどう思いますか?

「仕事が出来ないやつ」とジャッジして、

「どうすればいいんだろう」と困ってしまいますか?

 

でもAさんは聞いて理解するのが苦手なだけで、

書いて指示すると理解できて、

理解するととてもよい仕事をする人かもしれません。

 

Aさんがもし「自分が聞いて理解する事」だけが苦手な学習障害があり、

そのことを認識していて

それを貴方に伝えることが出来、

「書いて指示してください」と言えていたとしたら

貴方は「書いて指示する」という所謂「合理的配慮」をすることができますよね。

その結果、Aさんは貴方の部署にとってなくてはならない人になるかもしれません。

 

そうするとAさんの障害は障害でなくなるわけで。

 

そのためにはAさんがきちんと自分のことを話せるような周りの環境であることが

重要なのだと思います。

 

難しいことです。「心のバリアフリー」って言うのは簡単だけど本当に難しい。

 

ですが、Aさんが居ることは、

Aさんの周りにいる人が成長できるチャンスであり、

真の意味で「多様性」を受け入れるきっかけになるかもしれません。

 

「多様性」という言葉が無くなることが真の「心のバリアフリー」なのかもしれませんね。