日記
「企業努力」に思う
今年の春闘ではほとんど満額回答で、大手は大幅な賃金UPが見込まれますね。
日銀もマイナス金利を解除しそうだし、
日経平均は至上最高値をたたき出し
日本は今好機に向かっているように見えますね。
ですがこれはデフレからの脱却の前触れであり、
物価は上昇していくのでしょうね。
何故大手が賃金UPに踏み切ったのか。
勿論、コロナ明けで確実に業績がUPし大幅な利益増が見込まれるという健全な背景もあるでしょうが、
円高による物価高を背景に賃金UPしないことには人材の確保が難しいという背景もあると言われてますね。
最近報道されているだけでも日産(納入代金の不当減額)やコストコ(不当減額と返品)、
ビッグモーター(草むしり強要他諸々)と下請法違反をしている会社は後を絶たず、
下請法違反等とは無縁な会社の下請企業であっても、
社員の賃金UPのために商品の値上げをしようにも
今やグローバルな競争の中で大手も膨らむ人件費を抱えながら勝ち残っていかなければならないので
一円でも安く原価を抑えかつ品質の良い製品を仕入れたいわけですので、
仕入価格の交渉においての厳しさは想像に難くなく
日本で7割を占める中小企業の経営者は
人材確保のためには、自分たちの身を削ってでも従業員の生活を支えるために賃金UPせざるを得ない
というのが現状であろうと思います。
もう15、6年前ですが、
大手電機メーカーで空調技術の研究をしていた先輩が
中国の下請工場に技術指導のため暫く滞在されたことがあり。
「みんな勤勉でとても親切」ととても居心地がよいとSNS(当時はMIXIでした)でつぶやき。
「そうやってどんどん技術が盗まれているのがわからないのかっ!」
「お人よし過ぎる!」とたたかれながらも
「来たらわかるよ!」とまったく意に介さなかった先輩。
私が勤めていた企業もその頃
プログラミングについては中国の企業に優先的に発注していました。
私も一度一緒に仕事をしたことがありましたが、
日本語が堪能で、私達に対し低姿勢でいながらも
「何でも吸収してやろう」という意気込みが凄かったことを憶えています。
その頃日本のGDPは世界2位で、
中国は高度成長期のかつての日本のように一人一人が躍起だった時代だったころでした。
今や中国が2位で18兆5600億、日本は今年ドイツに抜かれ4位で4兆2862億弱。
先週にも言及したギャラップ社の従業員エンゲージメント(やる気のある従業員)の2022年の平均は世界全体で過去最高の23%だったそうで、
最下位日本の5%に対し今回躍進したドイツは16%、中国は18%。
「やる気」が生産性の向上につながることは皆さんが実感されているのではないかと思います。
今回躍進したドイツと日本の共通点のひとつに「ものづくり」があると思います。
1年位前に、20年近く使っていた炊飯器を象印の圧力IH炊飯器に買い替えたのですが。
これがっ!ごはんが美味しく炊けることは勿論のこと
先日炊飯の途中に電子レンジやらトースターやら同時に電気を使いすぎブレーカーが落ちたのですが
ブレーカーを戻し通電した途端、何事もなかったかのように炊飯は続き、
見事に炊き上げてくれたんです!
なんでも内臓電池がしっかり動いて炊飯の状態をキープしてくれるとのこと。
こんなこと、日本のメーカーでないとなかなか気が回らないと思うのです。
TOTOのウォシュレットしかり。
日本のメーカーだからこそできた製品です。
世界に誇れる「Made in Japan.」はこうした「企業努力」の結晶なのです。
そして、「企業努力」とは決して賃金を削って、サービス残業をして商品価格を抑えることではなく
グローバルなニーズに応えることのできる製品を作っていくことだと思います。
だって良い製品は多少高くても買っちゃいますもの。
だから親会社、大企業にとって下請業者や仕入れ先は
日本を成長させるためにともに戦い「同じ釜の飯を食い」「共に生きていく」仲間であってほしいと
願います。